内容説明
「生活の領域ごとで起こっている倫理問題を現代の目で整理し、当面、有効な指針を明確にする」―本書ではこのような視点から、現代の四つの倫理問題として「生と死」「性」「所有と貧困」「環境」を取り上げ、三つの世界宗教:キリスト教、イスラーム教、仏教のそれぞれが、これらの倫理問題について、どのように考えているかを教典にまでさかのぼり、歴史を踏まえて議論していく。現代の「倫理問題」にどのような「有効な指針」を与え得るかを批判的に問い、何某かの展望を開くためのヒントを提示する書。
目次
第1部 生と死(キリスト教の生と死;イスラム教の生と死;仏教の生と死)
第2部 性(キリスト教と性;イスラム教と性;仏教と性)
第3部 所有と貧困(キリスト教の所有と貧困;イスラム教の所有と貧困;仏教の所有と貧困)
第4部 環境(キリスト教と環境;イスラム教と環境;仏教と環境)
著者等紹介
関根清三[セキネセイゾウ]
1950年、東京生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学より博士(文学)、ミュンヘン大学よりDr.Theol.倫理学、旧約聖書学専攻。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書に『旧約における超越と象徴―解釈学的経験の系譜』(東京大学出版会、1994年、和辻哲郎文化賞・日本学士院賞受賞)などがある
菅野覚明[カンノカクミョウ]
1956年生まれ。1979年東京大学文学部倫理学専修課程卒業。同大学院博士課程単位取得退学。専攻は倫理学・日本倫理思想史。現在、東京大学大学院人文社会系研究科助教授。著書に『神道の逆襲』(講談社現代新書、2001年、サントリー学芸賞受賞)などがある
柳橋博之[ヤナギハシヒロユキ]
1958年生まれ。1988年東京大学大学院人文科学研究科中退。現在、東京大学大学院人文社会系研究科助教授。専攻はイスラーム実定法
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