内容説明
生命の尊厳と愛のかたちを問う永遠のベストセラー。優秀な外科医、直江がひた隠す「秘密」とは。そして、ひたむきに彼を慕う看護婦、倫子―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
背古巣
26
昔読んだ本を思い出して登録。確か、田宮次郎と山本洋子の主演で「白い影」と言うテレビドラマになったと記憶しています
フリスビー
10
大学病院で助教授を目前にしながら民間病院に流れてきた医師、直江。看護婦、倫子は直江に惹かれていくが、ある時直江の秘密を知ってしまう……。青臭い小橋医師とドライな現実主義者、直江は、延命治療、患者のプライバシーなどについてぶつかり合いますが、医者を無闇に神聖視しない直江の主張に納得でした。一方で、直江の謎が明らかになるラストでは、ぽっかり心に穴が空いた気持ちになりました。医療用語などは古いですが、普遍的なテーマを扱っていて、今読んでも心に響く傑作です。2013/08/10
うろん
7
白い影の原作。
カルバンク
1
帚木蓬生作品のレビューに、この作品の紹介が有ったので読んでみた。やはり渡辺淳一作品らしく自殺で物語は終わる。終始、主人公直江医師はクールでニヒルで関係を持つ女性をセフレ扱いの「最低男」。だが死期が近い自分と気持ちを通わせたら女性が気の毒と思っての行動だろうと思う。ただ一人、倫子に掛けた「ありがとう」の言葉に心が揺れた。 50年以上前の作品なので仕方ないと思うが女性達が発言する「◯◯しちまうわ」には違和感を持った。2023/01/14
ゆい
0
直江庸介という医者の生きた証し。彼の隠された影の部分を想うと愛おしくて切なくて遣る瀬無い。2016/03/02