内容説明
「中華の神様」と呼ばれた父、陳建民。父と同じ味を出したい、偉大な父に少しでも近づきたいと悩む息子、建一を救ったのは「お父さんの真似ではなくて、自分の料理を作ればいいじゃない」という言葉だった…。父という大きな壁を乗り越え、中華の鉄人として活躍する著者が語る「幸せ」に生きるための極意。おいしいレシピ付。
目次
1章 僕という少年
2章 料理業界に入って修業の日々
3章 逃げ出したい―立ちはだかる壁に背を向けて
4章 料理人であるという意識が確立したとき
5章 現在の四川飯店―僕のポリシー
6章 働くこと―陳建一の仕事の現場
著者等紹介
陳建一[チンケンイチ]
1956年東京生まれ。現在「四川飯店」グループの代表として、全国一六ヵ所の店を統率する。日本に麻婆豆腐をはじめとする四川料理をもたらし、「中華の神様」と呼ばれた父、故陳建民のもとで修業し、「四川飯店」を引き継ぐ。茶目っ気のある明るい人柄はテレビ・雑誌でもよく知られている。1993年から放送されたテレビ番組『料理の鉄人』では中華の鉄人として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フロム
4
成金のボンボンなんだけど凄いしっかりしてるボンボンなのが印象的、本人は自嘲的に楽天的で深く考えないと言っているが色々試行錯誤の結果なのは想像にかたくない。ストイックかつ基本的な事や地味な事に逃げない芯の強さがこの人にはある。「明るく元気にファイティングスピリッツを持って仕事をする」と言う哲学はかなり芯を食った考えたと思う。厳しい業界や難しい仕事に対しての向きあい方について学べる中々いい本だと思う。 2023/12/11
トラッキー
4
中華料理の鉄人、陳建一さんの自伝的、若者へのメッセージ。偉大な料理人、陳建民を父に持ち、同じ道を志したがために歩んだ苦悩の道。それが父親の真似ではなく、自分自身のファンを作っていけばいいと奥様に言われたことで、吹っ切れた経験。本書の本来の対象である若者のみならず役に立つのではないか。それにしても、陳さんは本当に料理が好きなんだな、食べるのも、料理でひとを喜ばせるのが好きなんだなということが、ひしひしと伝わってくる。好きなことと職業が一致する幸せってこんなにいいものなんだ。2014/07/21
K2
1
料理の鉄人の一人陳健一さんの著書。題名の通りの内容。父から受け継いだ二代目というプレッシャーに対して、辛さや苦労をそんなに感じさせないのは陳さんの人柄によるところが大きいと思う。仕事というものに対してどのように向き合うべきかという一つの指針になる。2013/11/24
ワタナベ読書愛
0
2006年刊行。テレビ番組「料理の鉄人」などでお馴染みの筆者が、料理人として、偉大な父(陳建民)の息子としていろんな葛藤、経験をしていった経緯を綴る自伝。仕事も一生懸命、遊びも全力で、周りの人たちに喜んでもらい、誰にとっても快適で素敵な場所をつくっていく様子が見て取れ、読むと元気になる一冊。将来の仕事について悩む中高生向きのシリーズだと思うが、この本は誰が読んでもいいと思う。特に「親の七光り」「二代目」というプレッシャーを感じている人にはおススメ。そういう立場を知らない私は、人間理解の一助になった。2022/12/17