出版社内容情報
ローマ帝国は危機に陥るたびに挽回した。では、今のこの国になにが一番必要なのか──。「文藝春秋」巻頭随筆がついに新書化なる。
内容説明
なぜリスクをとるリーダーが出ないのか―危機の時代こそ歴史と向き合え!21世紀の「考えるヒント」40本。
目次
1(イラク戦争を見ながら;アメリカではなくローマだったら;クールであることの勧め ほか)
2(想像力について;政治オンチの大国という困った存在;プロとアマのちがいについて ほか)
3(歴史認識の共有、について;問題の単純化という才能;拝啓小泉純一郎様 ほか)
著者等紹介
塩野七生[シオノナナミ]
1937年7月、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。68年から執筆活動を開始。70年、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』で毎日出版文化賞を受賞。この年よりイタリアに在住。81年、『海の都の物語』でサントリー学芸賞。82年、菊池寛賞。88年、『わが友マキアヴェッリ』で女流文学賞。99年、司馬遼太郎賞。002年にはイタリア政府より国家功労勲章を授与される。07年、文化功労者に。『ローマ人の物語』は06年に全15巻が完結(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Willie the Wildcat
39
(友人の紹介。)歴史家の視点で一見政治への苦言・提言も多いが、実は人生やキャリアにおける助言と感じる。交渉術、リーダーとしての資質など。印象深いのは「絶対感覚」と「認識と事実の違い」。前者は私のレベルでいえば”勘所”とイメージ。後者はビジネスでよく課題となる点。冗談だとは思うが、「ハロウィンのマスクの売り上げとアメリカ大統領選挙の関係」は思わず微笑む。案外本当かもしれない。2011/09/29
マーム
22
塩野七生氏の日本の外交に関する提言には傾聴に値するものがあると思います。特に、近時の外交における失政の数々を目の当たりにすればなおのことです。外交に対する日本政府の真剣度を疑わざるを得ない状態に嘆息しつつ、「戦争は、血の流れる政治であり、外交は、血の流れない戦争である」という言葉を噛みしめたいと思います。2010/08/09
かず
21
期待外れ。『月刊文芸春秋』の連載記事を新書化したもの。2010年5月発刊と古いが、主張は色褪せていない。「なぜ、日本にはカエサルのようなリーダーが現れないのか」-裏表紙の一文。そんなの決まっている。有権者に論理的判断がないからだ。如何にカエサルでも豆腐の上で相撲は取れないだろう。政策の是非を正しく判断できる人は極僅かだ。火に油を注いでいるのはマスコミ。私は政治家を糾弾する人々にこう言いたい。「じゃあ、お前がやってみろ!!」多分、それなりに売れたのだろうが、日本人に氏の主張は届かなかった、ということだろう。2021/06/27
James Hayashi
21
少し時代的遅延を感じ、また雑誌への連載なので一貫性のなさを感じた。テロ、日本やイタリアからの兵隊の派遣、政治、法律、歴史、小泉首相など。もう少し、日本国外から見た日本人論を展開されるかと期待していたので肩すかし。それでも幾つかは貴重な情報や意見を拝見することができた。いつかは手に取りたい「ローマ人の物語」。来年くらいかな〜?2015/07/09
鐵太郎
19
塩野さんの「日本人へ」シリーズを買ったら最新刊で、もっと前にこの第一巻がある事に気づき、あわてて探して読んだもの。右より、タカ派と呼ばれる事の多い塩野さんの思いとは、海外の地から故国を見てその不甲斐なさに地団駄を踏んで発せられたものなのか。政治音痴の国でぬるま湯に浸って、ただおらが村の先生を讃えるのが政治だと思っている日本人すべてが、とりあえず心を真っ白にして読んでみるべきじゃないか? ──7年前のこの本ではネタがかなり古いんだけどね。(笑)2017/10/27