父のビスコ

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父のビスコ

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  • サイズ 46判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093888417
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

三世代の記憶を紡ぐ初めての自伝エッセイ集

『本の窓』人気連載を元に、昭和、平成、令和 にまたがる三世代の記憶を紡いだ、著者初めての自伝エッセイ集。

-目次より-
「父のどんぐり 」「母の金平糖 」「風呂とみかん」「ばらばらのすし」「やっぱり牡蠣めし」「悲しくてやりきれない」「饅頭の夢」
「おじいさんのコッペパン」「眠狂四郎とコロッケ」「インスタント時代」「ショーケン一九七一」「『旅館くらしき』のこと」「流れない川」 「民芸ととんかつ」「祖父の水筒」「場所」「父のビスコ」ほか。

「金平糖が海を渡り、四人きょうだいが赤い金平糖の取り合いっこをする日が来ていなければ、いまの自分は存在していない。もし、祖父が帰還できなかったら。もし、岡山大空襲の朝、祖母ときょうだいたちがはぐれたままだったら。もし、爆撃機が焼夷弾を落とす範囲が広がっていたら。『もし』の連打が、私という一個の人間の存在を激しく揺さぶってくる」(「母の金平糖より)。

『旅館くらしき』創業者による名随筆を同時収録。

内容説明

「柔らかい宝石を食べている心地がする」父の死に接してから、かつて過ごした倉敷の時間や場所がいっそう親しく身辺にまとわりつくようになった。「旅館くらしき」創業者による名随筆を同時収録。三世代の記憶を紡ぐ初めての自伝的エッセイ集。

目次

1(父のどんぐり;母の金平糖;風呂とみかん;冬の鉄棒;白木蓮の家)
2(ピンクの「つ」;ばらばらのすし;ふ、ぷかり;やっぱり牡蛎めし;「悲しくてやりきれない」;「四季よ志」のこと;饅頭の夢)
3(おじいさんのコッペパン;すいんきょがでた;眠狂四郎とコロッケ;インスタント時代;ショーケン一九七一;ミノムシ、蓑虫)
4(「旅館くらしき」のこと;『倉敷川 流れるままに』畠山繁子著より)
5(流れない川;民藝ととんかつ;祖父の水筒;場所;父のビスコ;支流 あとがきに代えて)

著者等紹介

平松洋子[ヒラマツヨウコ]
1958年岡山県倉敷市生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。食と生活、文芸と作家をテーマに幅広い執筆で知られる。2006年『買えない味』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、12年『野蛮な読書』で講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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どんぐり

94
読売文学賞(随筆・紀行賞)を受賞した岡山県倉敷出身の平松洋子さんのエッセイ。金平糖、露天風呂でのみかん、アミの塩辛、岡山の郷土料理「祭りずし」、倉敷の銘菓「むらすゞめ」など食にまつわる話が三世代の思い出とともに出てくる。表題作は、父親が最期に食べたいものがビスコと書いたメモを見て、急いで赤い箱を買いに走ったという話だ。日本にビスコが登場したのが1933年。92歳で亡くなった年齢を考えれば、幼少の頃の記憶が深く刻まれてのことだろう。自分だったらビスコはないなと思いながら読み終える。→2023/01/09

たま

64
健啖家の平松洋子さん、食べ歩きの随筆は拝読しているが、この本はやや趣が異なり、生まれ育った倉敷や子ども時代の思い出が多く語られる。執筆中に実家を整理され父君を亡くされたようでその影も濃い。世代が近い私はとても懐かしく味わいながら読んだ。我が家にも鉄棒があったし、酢飯は団扇で扇ぐ係だった。具材は瀬戸内の平松家が豪華で、酢〆の鰆や平を入れると言う。途中に倉敷の旅館(旅館くらしき)の女将である畠山繁子さんの著書の紹介がある。美術館、民藝館をはじめ倉敷の人々が誇りとし守ってきた暮らしの豊かさに心をうたれる。2022/06/13

がらくたどん

55
シニア向けの朗読会用。本書から3篇を主催側から渡されているが本としての雰囲気を知りたくて。各地の食と暮しを文化の文脈で紹介するエッセーが多い著者の、家族にまつわる食の記憶。特に亡き父上との「食べ物」を間に挟んだ心の行き来を描いた文章が印象的。決して具体的なわだかまりがあるでもないのに親子の間に生じる「へだたり」(この表現は素晴らしいと思う)が「食べ物」を真ん中に置くことで一瞬だけ確かな手触りを持って親密さに変わる時がある。その瞬間は儚く尊いが、身に刻んだ食の記憶がやがて来る喪失を癒すのかもしれないと思う。2022/05/31

よこたん

49
“母は、自分がこしらえたすしの桶を眺めると、少々うっとりとした響きをまとわせて「まんかんしょく」とつぶやいた。”“ 酢〆の魚。殻ごとゆでた海老。たれ焼きの穴子。煮いか。煮含めた干ししいたけ。干瓢。高野豆腐。れんこん。さやえんどう。錦糸玉子。” 平松さんを形作ってきたものが、ギュッと詰まっていた。生まれ育った倉敷、家族の思い出。噛みしめるように読んだ。もう戻ることはできないけれど、何度も振り返り、コロコロと転がし味わう記憶の飴玉。祖父へ父への「そうだったのか」という思い。私なら…と思いをはせるひと時だった。2022/04/09

クリママ

48
倉敷出身の著者の食や生活に関するエッセイ。私より5歳若い方だが、ほぼ同世代で、かつての家庭生活の様子など、とても懐かしい。「お百姓さんが汗水たらして作ったお米だから、ご飯を粗末にするとばちが当たる」などとしょっちゅう言われたが、今、子供たちはそのようなことを言われているのだろうか。「旅館くらしき」の女将の随筆を挟み、尖ったところのない穏やかな文章で綴られ、心に優しい。「父のビスコ」のビスコとは、お父様が最期に食べられたあのクリームサンドビスケットのことだった。2023/03/30

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