電撃文庫<br> 断章のグリム〈8〉なでしこ(上)

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電撃文庫
断章のグリム〈8〉なでしこ(上)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784048671729
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

七月初め。金森琴里が自殺した。恋人の石田臣は、その理由について自分を責めていた。琴里の机の上に置かれた花瓶の前で落ち込み悩む臣。やがて、無言のまま乱暴に一本の白いユリを引き抜き、立ち去っていく。机の上にこぼれた水が広がり、その上に人間の足跡が浮かび上がったことに気づくこともなく―。人魚姫の“泡禍”事件から二ヶ月。一人残された海部野千恵を見舞いに、蒼衣は雪乃と離れ、再び海辺の町を訪れる。そして、蒼衣の目の前で繰り広げられたのは、琴里の母親の惨劇。彼女の死を悼み臣が持ち帰った白いユリは、決して枯れることもなく静かに風に揺れていた―。鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第八幕。

著者等紹介

甲田学人[コウダガクト]
1977年、岡山生まれ。津山市出身。二松学舎大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

51
今回はマイナーな『なでしこ』がテーマ。おかしいな、白水社版『グリム童話』を読んでいる筈なのに『なでしこ』の話は今も思い出せないや・・・。これまた、不条理な物語だ。そして今だからこそ、このシリーズを読めて良かったと思いました。何故なら琴里ちゃんや梢枝の父親のような人が身内にいるから。もし、軽蔑と棄てきれない期待で手一杯だった学生時代にこの本を読んだら感情がぐしゃぐしゃになっていただろうな・・・。今回はファンタジー寄りではないリアルなグロ描写が展開されるので結構、心臓に悪かった。慣れたと思ったらこれだよッ!!2021/07/02

まりも

41
今回の題材は「なでしこ」。舞台は人魚姫事件があった海辺の町という事で千恵も再登場です。「なでしこ」の話は知らなかったけどその分いつもよりも新鮮に感じました。メジャーな話も良いけどこういうマイナーなやつだと先が読みにくいので良いですね。グロシーンも健在で上巻という事あり人死には控えめですが、電車ではねられるシーンは死に方が想像できてしまう分いつもよりもしんどいものがありました。次の犠牲者は誰なのか、この物語の結末がどうなるのか次巻も楽しみです。2015/01/19

坂城 弥生

39
拗れた家庭が関わっていて、予言された童話も複雑で…どんな結末を迎えるのだろうか…2022/03/23

Yobata

26
人魚姫の泡禍の事件の影響により断章持ちになってしまったらしい千恵の様子を見に再び群草のロッジの町へ。そこで世話になる保有者の友人の恋人が自殺したことをきっかけに何かが起こり始めていた最中、一人残された雪乃に「なでしこ」の予言がなされ雪乃のこの街に導かれる…。今回はグリム童話の中でもマイナーな「なでしこ」が題材の話の上巻。案の定知らなかったわw願い事はなんでも叶えられる王子を中心とした童話。王子を利用するも犬にされた料理長,無実の罪をきせられ塔に幽閉された母親,王子を守り花になりながらも結婚までした娘。→2014/06/27

そのぼん

20
今回、作品のなかで使用されている『なでしこ』は今まで知らないお話でした。幼馴染みの少年少女がメインで、その中の少女が亡くなったところからストーリーが展開していきました。相変わらずグロいですが、読むのをやめられません。2013/07/29

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