岩波新書
中国の五大小説〈上〉三国志演義・西遊記

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  • サイズ 新書判/ページ数 294p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311270
  • NDC分類 923.5
  • Cコード C0297

出版社内容情報

一度はとおして読んでみたかったあの物語を、練達の案内人とともに楽しむ。おなじみの名場面や人気者たち、長く読み継がれてきた古典には「これぞ文学」の愉楽が満載。読後は原作に手がのびること請合い!小説の醍醐味を味わえる、待望の一書。

内容説明

一度は通して読んでみたかったあの物語を、練達の案内人と共に楽しむ。講釈師演じる「語り物」から生まれた中国の白話長篇小説には、他に類を見ない面白さが満載。とりわけ五大小説を読むことは、まさに「小説」が生まれ成熟してゆく歴史に立ち会う、限りなく魅惑的な経験に他ならない。読後は原作に手がのびること請合い。

目次

『三国志演義』の巻―興亡の歴史と物語の誕生(「三」で結ばれた世界のはじまり―桃園結義;大トリックスター、曹操の登場―呂伯奢殺害事件;色と欲に流れる美将、呂布―虎牢関の戦い;曹操の「偏愛」―典韋・呂布の最期;男が男に惚れるとき―勇者の邂逅 ほか)
『西遊記』の巻―巨大な妖怪テーマパーク(天地をかけめぐるスーパー猿―孫悟空登場;地獄の沙汰はいかに―太宗の地獄めぐり;遅れてきた主役、三蔵法師―西天取経の旅へ;転生、変化、よみがえり―従者一行、勢揃い;「俗」なおかしみ―神仙・如来のふるまい ほか)

著者等紹介

井波律子[イナミリツコ]
1944年富山県に生まれる。1966年京都大学文学部卒業。1972年同大学院博士課程修了、金沢大学教授を経て、国際日本文化研究センター教授。専攻は中国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

86
井波先生の中国の5大小説についての、重要なポイントについての解説でこれを読むことによってその時代背景や内容がかなり詳しくわかります。上巻には三国志演義と西遊記が掲載されています。これを読んでから原作に当たるとかなり理解が進むという気がします。2015/08/28

きいち

16
蒼天航路や横山三國志、ぼくのそんごくうに西遊妖猿伝とマンガは読んでても元はまだだったので、ちくま文庫の三國志演義と岩波文庫の西遊記、どちらに手を伸ばすか決めようと読んだのだが、ダメだ、両方とも読みたくなってしまった。いいガイドだわ。◇キャラ立ては外見と行動、心理描写は会話で。そりゃあ少年マンガそのものやん、道理で相性がいいわけだ。街頭での講釈や紙芝居、出自も同様だし。2013/05/23

壱萬弐仟縁

16
ルビが多数あり、初心者にも親切な本。曹操は子供じみたところもあった(43頁)。鏖兵(みなごろし)と書くとは、漢字だけで恐怖(101頁)。呉最後の皇帝孫皓(そんこう)は、暴君ぶりで臣下を惨殺、暴虐(165頁)。地獄の沙汰も金次第(193頁~)。亡者はだめだな。猪八戒はダメ人間の象徴(239頁)。『西遊記』では時間的感覚がわからない(272頁)。現実的か、虚飾的か、はたまた、空想的か。いろいろな世界を構想するには面白い素材が多い。2013/05/07

羊山羊

15
中国の三国志演義と西遊記を著者自身の鋭い考察と共に存分に語る1冊。中国古典小説を知り、中国の内在心理を読む1冊としても素晴らしいが、それと同時にちょっとした言葉尻をとらえてストーリー性、背景を読み解く本の読解力トレーニングの本としても有用な1冊。中国作品の虚構世界と現実の連関やそのSF性なんかへの指摘は、これから増えるであろう華流文学を読む為に必須の知識。西遊記、三国志演義における、仁儀、侠気を誰に体現させ、誰を魅せるかといった小説の作り方の基礎、批評や分析のコツを余すことなく披露している。大満足の1冊。2019/08/05

サアベドラ

14
『三国志演義』の完訳(ちくま文庫)で知られる井波律子女史が、著名な中国白話長篇小説5作(「四大奇書」+『紅楼夢』)のあらすじと鑑賞のポイントを縦横に語る。上巻で取り上げられている『三国志演義』と『西遊記』は、下巻の『水滸伝』とともに民衆を前に語られた講釈(語りもの)が元になっており、題材や主題は異なるもののいずれも「中国の民衆の想像力」が強く反映されている。現代日本人からすると奇妙・荒唐無稽に見える箇所もなくはないが、そこら辺はあまり気にせず当時の一庶民になった気分で存分に楽しむべきものなのだろう。2013/10/25

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