ちくま文庫<br> くまぐす外伝

ちくま文庫
くまぐす外伝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 472p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480025395
  • NDC分類 289
  • Cコード C0123

内容説明

博物学の巨人、南方熊楠。その生涯は研究につぐ研究、博識にははかり知れぬものがあった。その勉強ぶりと、ときに奇矯とも見える日常、大きなテーマであった菌類研究の業績を、熊楠の反権威の姿勢に強く共感した著者が力強く描く。熊楠の全貌を伝えるのに最も適した人を得て成った、決定版。

目次

1 慶応3年
2 幼年―中学時代
3 粘菌研究の動機
4 20歳の秋
5 シカゴ住いからハバナへ
6 英京ロンドンの熊楠
7 帰国した熊楠
8 田辺の町に来て
9 結婚した熊楠
10 南方研究所運動
11 東京に来た熊楠
12 人情紙風船のこと
13 天皇と熊楠
14 熊楠が残した仕事
15 おうちの花が咲いていた
16 万華鏡を通して見た熊楠の像
17 回想の南方熊楠
附(年譜;履歴書)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fonfon

13
10数年ぶりに再読。息子が5歳前後の頃、熊楠を紹介するTV番組を偶然みて、もっと南方熊楠について知りたいというので伝記的読み物を探したら、当時はこの本と水木しげるの「怪傑くまぐす」位しかなかった。寝る前に音読して聴かせていたが、絵本とちがって読み聞かせるには長いしリズムに乏しい文体だったので楽しい作業とはいえなかった。巻末の水木しげるの解説が名文。熊楠はお金のためでも名誉のためでもなく、好きなことだけやっていた。無理にやりたくないことすれば「腦に疾を感ずー」という病気があったからしかたなかった、等等2013/12/12

サイバーパンツ

11
組織に属さず、地位も名誉も財産も必要とせず、ただただ学問に身を捧げた知のアウトロー南方熊楠の評伝記。南方熊楠という人は、コンピュータ並の記憶力を有していたり、25ヶ国語以上の言語を操ったり、昭和天皇に献上する粘菌の標本を森永ミルクキャラメルの箱に入れたりと、頭脳・人柄共に、とんでもなくぶっ飛んでいるので、普通に読み物として面白い。研究内容にはあまり深く立ち入らないが、どんなことをした人かは、ざっくりと知れるので、熊楠入門におすすめ。2016/12/02

つちのこ

3
ちくま文庫版。神坂次郎『縛られた巨人』や津本陽『巨人伝』を読んで、南方熊楠のとりこになってしまった。彼の破格なエピソードも魅力だが、それ以上にこの時代においての博物学の巨人としての業績に驚かずにはいられない。粘菌研究においては、今の時代に生きていたなら間違いなくノーベル賞ものである。熊楠の全体像を想像するに、自分自身が同じ博物学者の荒俣宏先生とダブらせてしまうのはお笑いであるが、人間的魅力に溢れた人だったに違いないと思う。1991/08/10

teshico

3
積んどいたもんを読むシリーズ。南方熊楠評伝記というか。まぁよくもこんな人がいたもんだというのをしみじみ楽しむ書。明治維新後、「世界の」という定冠詞のついた最初期の人なんではないのかなぁ。知れば知るほどわからない人でもある。2012/02/22

YnariY

2
熊楠のすぐれた記憶力が、私も欲しい。 以下、自分用メモ *マルカーンと熊楠は、さっそくロンドン大学のディキンス博士やその   他の学者達を動かしてまず英国の王室にむけ、孫文救済のことを   請願することにした。 *ヒロデス・クニアックス   キューバの首都ハバナの東方アンザス付近で採取 *燕石   貝は石灰質だから酸性の液中にいれれば化学作用がおこり、石灰質   は酸性石灰になりガスを発生して、ブクブクと泡を立てながら、ひとり   でに動くようにみえる。 *グラチオシシマ   「極2009/08/30

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