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内容説明
環境問題が人類の大きなテーマとなってしまったなか、月刊「アニメージュ」に連載し、大反響を得た「The Tree」の文庫化です。長野県・黒姫に住むC・W・ニコルは、自分の身近に迫る環境破壊、とりわけ世界中の森林の乱伐を、怒りを基調とする文章で、切々となげき、いま我々は何をすべきなのかと問いつづけます。
目次
宮崎駿イラスト集
黒姫とウェールズのアファン
1 ふるさとの森が戻ってきたら、私の心は喜びの歌を唱う―ウェールズ
2 赤い竜の国・ウェールズと黒い竜の国・黒姫への神秘的感情―アファン・バレーと黒姫
3 エチオピアが砂漠化した理由―シミアン高原
4 1万600坪の黒姫の山林をアファンと名付けた―黒姫
5 小さな谷の歴史とその未来への夢が語りかけるもの―アファン・バレー
6 オーストラリア原産のユーカリがスペインにある不思議―ガリシア
7 巨大なオークの森が消えた―ガリシア
8 樹齢7200年―ピラミッドより古い杉―屋久島
9 野ブドウを食べにきてくれたクマ―アファン・バレーと黒姫
10 ピグミーとマタギ―森の人になるための儀式の共通性―ザイール
11 クジラをきっかけに自然界のバランスを考える―太地
12 森、水、クジラ、戦争―すべては密接につながってる―黒姫
対談 日本の自然はいま、どうなってるのか?(C.W.ニコルVS宮崎駿)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
JUN
0
絵を宮崎駿さんが担当しており、それが目を引いて、購入した。著者はウェールズに生まれ、カナダでイヌイット(エスキモー)と生活を共にし、エチオピアで国立公園を立ち上げ、日本の黒姫に住んでいる。屋久島の縄文杉の話、日本が外圧によりクジラを食べなくなった話、少し古い本なので、状況は変化しているかも知れないが、日本が森林伐採をし過ぎている事。若い者達は、森の事を学び、子孫の為に太古の森を守っていかなければならない事を必死に訴えている。最後の宮崎駿さんとの対談も良かった。2011/09/01
1977年から
0
1991年
ことらいおん
0
書かれたのが23年前の話だからなんて流すことはできない、自然と人間との共存についての本。私が普段犬と共に歩き回る里山も、人の手が入ってしまった、自然林とは異なるもの。原生林がほとんど失われてしまった日本でこれから若者がどのように考えて生きていけばいいかをニコル氏や宮崎駿さんが説いている。森林や植生について知りたかったので入門編として借りたけれど、思っていたよりずっと深い内容だった2011/05/29
水橋
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イヌイットの子供はアザラシ狩りによって、色々なことを学ぶ。分け合うことや、生物は一つでは生きれないことなど。体感が先にきて知識が後からくるので、感じるものをそのまま実行に移しやすい。2022/05/26
おひさ
0
以前読んだ「宇宙樹」に引用され、興味を持ち読みました。著者の木に対する愛情が弾けている。著者は怒り、悲しんでいる。それは自然が人間によってドンドン破壊されているからだ。そして人間が自然に無関心だから。この本は30年近く前に書かれたものだが、今と当時で、どのくらい状況が変わっているのか、今度は自分で勉強しなくてはいけない。しかしその前に、最近の自然災害や異常気象を思うと、状況が悪化しているのは間違いなく、自然に対する人間の姿勢や生活様式の改善が急務な事は明らかだ。自然に詳しい著者からの警笛はとても重要だ。2018/09/20