中公新書<br> 江戸の料理史―料理本と料理文化

中公新書
江戸の料理史―料理本と料理文化

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  • サイズ 新書判/ページ数 259p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784121009296
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C1221

内容説明

人間はそれぞれの歴史的環境に応じて、時代に見合った食の文化を生み出してきた。わが国も例外ではなく、生活に余裕がみられるようになった江戸時代には、室町時代を通じて独自の発展を遂げてきた日本料理が、徐々に庶民生活のレベルまで根を下ろし、独特の料理文化が花関いた。本書は、幅広い展開をみせた江戸の料理文化の在り方を、300年それぞれの時代相を写す多くの料理書を中核にすえて、社会状況との関連の中で考察する。

目次

序 料理文化の位相
1 江戸料理文化の出発
2 元禄の展開
3 日本料理の完成へ
4 料理本の時代
5 化政の爛熟
6 料理文化と地方
7 洋食文化流入の波紋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅわ

40
江戸の食文化関連本を読んでいたら急に懐かしくなって…倉庫から掘り出してきたので記念再読&登録。卒論の準備をしていた時期に…教授から勧められ、たぶん一番読み込んだ本。長く続く太平の世で独特の発展を遂げた江戸時代の料理文化を、料理本と料理屋を中心に解説。内容はちょっと専門的ではありますが、新書だけあって比較的とっつきやすいかな。江戸300年の食文化の流れをざっと把握するにはもってこいの良書です。2014/11/21

TALOS

8
江戸時代の食文化は学生時代から興味はありましたが、こうやって食文化中心の書籍は初めて読みました。サブタイトルを見逃していたので料理本中心の記述は「…期待していたのと違う」でした。しかし、化政文化移行の記述は期待通りの華やかな江戸の食文化を学ぶことができました。前々から江戸っ子の初鰹への執念は異常に感じていましたが江戸特有の粋の文化ゆえの過熱しすぎた流行のようなものなのだとわかりました。また、意外に興味深かったのが地方の食文化で江戸と対照的な格差はどこから生まれたのか、江戸期の経済も興味を持ち始めました。2015/09/25

印度 洋一郎

3
日本で料理が本格的に文献にまとめられた江戸時代に始まる、料理本を中心にする料理文化史。それまでは特権階級向けに作られる料理のレシピの口伝中心だったものが文献になる事で初めて体系立てた文化になるのだが、その周辺を探っていくと江戸時代の初期には、寺院での茶会の軽食だった茶飯が人気になるほど外食産業が貧弱だったことが伺える。それが元禄辺りになって、経済の発展で富裕な商人階級を中心に料理文化が勃興し、高級料理店も登場してくる。そして、文化文政期になると大食い大会に見られる爛熟を見せ、著者の見解では明治維新で終わる2023/07/15

takao

1
ふむ2021/02/28

田蛙澄

0
ここのところ菜食料理に凝ってるので、江戸時代の料理とか参考になるのではと思って読んだが、料理本については多く記述されてるがその中の料理法についてはあまり説明がなかったので期待とは違ったが、地方が飢餓の天明期に一方では江戸で料理屋が繁盛してたり、化政期には大食い大会や促成栽培の野菜を使ったり屋敷に絡繰りを使った料理屋が出て遊びの爛熟に達し、料理本も実用書から文人趣味や庶民の読み物になっていき、それが地方にも伝播して庄屋階級に学ばれ、村の料理人がいたり伊勢参りが料理を楽しみとするものだったりと大変勉強になった2020/11/06

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