感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
47
満州に渡り、死線をさまようような壮絶な経験の中で年齢を重ね、日本に引き揚げてきた少女時代。誰しもいつかは子どもであったわけで、しかし大人になった瞬間を覚えていない。その自覚が幼い恋だったという著者の記憶力と洞察力!2015/08/12
あーさん☆転スラ·薬屋·本好き·魔導具師ダリヤ続々アニメ最高です!!(≧▽≦)
33
高校で読んだ本。
Shoko
31
2人の甥に向けて、著者が自分の子供の頃からの来し方を語る形式のエッセイ。両親とともに貧しさに追われるように渡った満洲の地。そこで育った少女から子供時代の終わりにかけての時間。戦後、引き揚げまでの苦労を他国に攻め入った自国のことに思い至るに、「わたしがとうぜん背負わなければならないある種の運命だった」と述べられている。戦時教育然り、戦後の棄民についても、読書はリンクするもので、最近よく考えてしまう「国と人」をまた改めて考えることになった。2020/04/23
nobody
16
読後感が落ち着かない。安直な口述筆記でないことを祈る。主題の貫徹がなく、『ルソン戦―死の谷』のようにやはり真実の全面開示がない。残る印象は小林よしのりとネットの登場で左翼の化けの皮が剥がれた、やはり左翼というのは特殊な人種なのではないかということ。人民の共感を失った左翼は翼を失った鳥だ。「日本も、関東軍特別大演習の名目にかくれ、独ソ戦のさなかにソ連に戦争をしかけようとしたことがあります。ドイツは独ソ不可侵条約を無視してソ連にせめこみました。国と国の条約といっても、とても便宜的なものだったのです。ソ連が日本2019/09/18
ゆー
1
読む人に対しての愛情をしっかりと伝える、優しく丁寧な文章。そして、自身が愛されたことの思い出は、読むだけで心を温めてくれます。のびのびとして、こちらの顔が綻ぶような幼年時代と、そして戦争。著者の実体験と知識、それが培った思考には、学ぶべきところが多くある。少ししろばんばを思い出した。名著。 ★★★★☆2020/05/08