内容説明
敗戦直後に出会ったモーリヤックの『テレーズ・デスケルー』は、作家として進むべき方向を、著者に教えてくれた作品だった『沈黙』を書く時も『侍』の時も、この小説を読み直してから執筆を始めた、という…。40年以上にわたり、読むたびにいつも新しい顔を見せる『テレーズ』を回想し、文学と宗教について語った長編エッセイ。巻末に遠藤周作訳『テレーズ・デスケルー』を収録した。
目次
なぜ彼女は夫に毒を飲ませたのか
彼は肉慾に苦しんだが
秋よ、落日の時よ、
マイナスはプラスになる
俗なるものと聖なるもの
心にひそむ元型
物語が人々に語りつがれるには
乾いた土地、水のある場所
ひとつの小説のできるまで
テレーズと菜穂子と
「コーランを読む」を読みながら
すべての道はXに向う。だが…
悪、死の本能
テレーズ・デスケルー(モーリヤック著 遠藤周作訳)