感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊介
2
1980年代に出版された新書でそこそこ古いけど中身は新鮮だった。著者は仏教学者の大家、さすが時代を超越してるものを感じる。そもそもの仏教の成り立ち、そして大乗仏教の成り立ち、は仏教に関心ある者にとってとりわけ関心事だ。著者は、古代宗教であるゾロアスター教、紀元前後の西アジアでの政治的混乱、などを背景に、それが原始仏教、大乗仏教にもたらした影響を論じる。また本題とは別に、19世紀の西洋の学者の仏教研究についても紹介してある。それらの学者の中にはキリストと仏陀を無理に結びつけたりしてそれがちょっと可笑しかった2019/05/11