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内容説明
資源にめぐまれ、さまざまな生命が栄え、人類のためにつくられたかと思われほどのこの地球は、宇宙の進化のなかでどうして生まれてきたのだろうか。惑星の起源と発展をたずねることは宇宙地球科学の課題であるにとどまらない。人類の進歩を根底で支えた自選環境を理解し、人類の歴史を宇宙のなかで位置づけたり、人間と文明の未来を予想するためにも欠かせない視点なのである。宇宙や地球についての予備知識は前提とされず、物理や化学の基本も必要なところで最小限に紹介されるなど、一般向けに書かれている。ところが内容のほうは魅力にあふれて、広い分野の読者の想像力や意欲をかきたてるものだ。
目次
1章 舞台背景―ビッグ・バンと銀河の誕生
2章 宇宙をつくる物質―元素の起源
3章 太陽系はどうしてできたか―そのしくみと環境
4章 惑星はいつできたか―隕石の年代学
5章 地球の進化―地殻と大気のできたしくみ
6章 風変りな仲間の誕生―月・小惑星・彗星
7章 地球は果して住みやすいか―気候変動と氷河
8章 資源はいかに蓄積されたか―文明を生む物質
9章 人類は生き残れるか―地球の未来を考える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
卯月
3
職場本棚。88年刊、著者は地質学者で、学部生向け講義を基とした本。私は物理科卒で化学や地学に疎いので、一冊でビッグバンから元素生成、太陽系や惑星形成、地球上の生命誕生後の環境変化までカバーしてくれる本書は非常に有難い。〈核物理学と無機化学とを考え合わせると、地球などの岩石惑星は本来、酸素、マグネシウム、ケイ素、鉄の四元素からできているはず〉(割合は違う)(3章)というのと、地球の鉄が内部の核に集まっておらず大気と混ざったら、大気中の酸素が全部酸化鉄になって無くなってしまう(8章)というのが目から鱗だった。2016/02/06