岩波新書<br> 祖国よ―「中国残留婦人」の半世紀

岩波新書
祖国よ―「中国残留婦人」の半世紀

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  • サイズ 新書判/ページ数 244p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004303862
  • NDC分類 369.37
  • Cコード C0295

出版社内容情報

「満州開拓」が“国策”になっていた一九三○―四○年代,多くの女性が家族とともに,あるいは妻になるために,中国へ向かった.だが敗戦とともに強いられた逃避行.中国人の妻となり母となった彼女たちは,「日本人」として文革の時代を生きていく.帰国した人,いまも中国で暮らしている人への長年の取材を通じて,国とは何か,と問いかける.

内容説明

「満州開拓」が“国策”になっていた1930―40年代、多くの女性が家族とともに、あるいは妻になるために、中国へ向かった。だが敗戦とともに強いられた逃避行。中国人の妻となり母となった彼女たちは、「日本人」として文革の時代を生きていく。帰国した人、いまも中国で暮らしている人への長年の取材を通じて、国とは何か、と問いかける。

目次

第1章 祖国
第2章 「満州」へ
第3章 「大陸の花嫁」
第4章 それぞれの「満州」
第5章 逃避行
第6章 文革の中国で
第7章 日本の生活

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

37
帝京大教授、95年著。移民でなく棄民である。しかし読んで感じたのはこれらの人々は将棋の駒。広大な満州に兵士をおかず国境線や鉄道沿いを守るだけであれば、日本の領土とはなっていなかったであろう。つまり農村に人を置くことにより、社会を成り立たせ経済をおこし領土と見せかけていたのだろう。男だけの社会は不都合である為、女性も積極的に送られた。時代は関東大震災、世界恐慌、冷害と国内で苦しい状況が続き、満州に期待を込めさせた。孤児は知っていたが、帰国したくも帰国できない婦人たちも大勢いた。続く→2019/04/23

モリータ

9
◆1995年刊。著者は元読売新聞編集委員。副題通り「中国残留婦人」に焦点を当てた一冊。「(前略)残留婦人に関しては、見てきたように、むしろ帰国の道を閉ざす方向にばかり政策が動いてきた。その根拠として国が挙げているのが同じ残留でも孤児と婦人のちがいなのである。厚生省が説明する「残留孤児」とは、ソ連参戦前後に日本人の両親と生死別したもので、当時12歳以下。敗戦時に自分がおかれていた状況を理解していたかどうかが、肉親さがしをするうえで国が定めている孤児の定義だという。(中略)つまり、孤児の定義を逆にすれば、(続2023/05/14

愛奈 穂佳(あいだ ほのか)

2
【大学在学中の4年間で、卒業後に進みたい業界に関係ある本を1000冊読みなさい、と言われたので挑戦した記録】 #2391995/09/30

ぴえり

0
満州開拓が国策だった昭和初期、日本は農家の次男三男を除隊後に開拓民として送り込み、彼らを定着させるため10代20代の少女たちを「大陸の花嫁」として送り込んだ。ただ同然の安い値段で取り上げた肥沃な土地で、食料増産に励ませた。そして終戦とソ連侵攻。女性たちは逃げるすべもなく、中国で結婚して生き延びた。日中の国交は復活したが、日本国籍が抹消された人も多く、また国籍を持ち続けていても帰国は容易ではない。「中国政府はわたしたちを助けてくれました。でも日本の政府は何もしてくれません。」という言葉にショックを受けた。 2023/04/27

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