出版社内容情報
正確,平明な訳と,周到,懇切な注・解説・索引,決定版として定評ある本全集を,多くの御要望に応えて,ここに再刊いたします.人間や自然についてさまざまな問題が山積し,生き方や価値観が問い直されている今日,日常語による対話をもって,思想や生活のあらゆる領域にわたり,根源に至る思考をめぐらしたプラトンの著作は,われわれに豊かなインスピレーションを与えてくれるはずです.〈第5次刊行〉
目次
アルキビアデス1
アルキビアデス2
ヒッパルコス
恋がたき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sonohey
2
【アルキビアデスⅠ】恋愛小説と見せかけて国家と人間について論じる純愛小説。〈ソクラテス〉18歳未満の男の子に恋しちゃう。〈アルキビアデス〉国家社会のうちにある人間を支配することを望むも、変なおじさんに戦争がなくならないのはそもそも正しい政治を誰も知らないためだと諭される。そもそも人間とは心であり、政治家の役割は国民の心をより良く導く事(克己節制)にあると語り、体目当てだった他の連中と違って君の心を愛しているのは唯一僕だけであると語るソクラテスに、これからは僕があなたをつけまわすと発言するに至る。わお。2021/07/17
Yoshi
2
アルキビアデスI、恋敵は別で読んでいるのでアルキビアデスII、ヒッパルコスのみ。 アルキビアデスIIでは祈祷は自分にとっての善をよく知ってからしないと悪いことを祈祷してしまうよ、という話。 ヒッパルコスは利益を得る事が悪い事、から利益自体は得るのはいい事では、という話へ。 偽書らしいが真作とされるもののエッセンスを抽出し分かりやすいので最初に読むには良さそうな上、言ってる事もプラトンそのものなので哲学の入りにおすすめできる書だった。2020/07/20
ロロ
1
『アルキビアデスⅠ』20歳ごろのアルキビアデスにソクラテスが口説くお話。本当にソクラテスはアルキビアデスが好きだね。政治の道を志すアルキビアデスをスパルタやペルシアを例えに諭すことで結果的に成功するわけだが、アルキビアデスの末路を想うとなんだか微妙な気持ちになる。自分自身(無知)を知り、勉強(知性)を怠らないこと。2013/06/04
りょう
0
恋がたき、愛知について、2012/08/08
レートー・タト
0
フーコーの『主体の解釈学』で「自己への配慮」の問題提起の起点として取り上げられている本故に、フーコーがこの本からどういう読み方をしているのかが興味深く、それを機会に併読した。新プラトン主義においても『パルメニデス』と並んで重要な文献となっているプラトンの著書。2010/08/20