ルポ 職場流産―雇用崩壊後の妊娠・出産・育児

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000234962
  • NDC分類 366.38
  • Cコード C0036

出版社内容情報

過労や悪質な労働環境によって起きる「職場流産」ともいえる悲劇.なぜ悲劇は繰り返されるのか.働く女性が迎える妊娠・出産・育児といった局面で,セーフティネットはしっかり機能しているのか.彼女たちが抱える社会的リスクを,当事者の切実な声から描きだす渾身のルポルタージュ.

内容説明

妊娠しても、様々な理由からハードワークを続けざるをえず、その結果「いのち」が失われてしまう―「職場流産」という悲劇。なぜ悲劇は繰り返されるのか。セーフティネットはしっかり機能しているのか。雇用情勢が厳しくなっているいま、妊娠・出産・育児といった局面で働く女性やパートナーが抱えざるをえないリスクは、ますます切実なものとなっている。これは、日本社会の持続可能性にかかわることであり、誰にとっても他人ごとではない。「子を産み育てる人」と、それを「支える人」という両者の視点から、当事者たちの切実な声を描き出す。

目次

第1章 生きるすべを失う―妊娠解雇
第2章 雇用崩壊が生む悲劇―職場流産
第3章 子どもか、仕事か―迫られる選択
第4章 悲劇の舞台裏―職場流産の背景と周産期医療の現実
第5章 いのちを預かる重み―保育所が抱える問題
第6章 「支える人」を支える
第7章 ワーク・ライフ・バランスを実現する職場
終章 働き方、社会のあり方を問う

著者等紹介

小林美希[コバヤシミキ]
1975年茨城県生まれ。水戸第一高校、神戸大学法学部卒業。株式新聞社、毎日新聞社『エコノミスト』編集部記者を経て、2007年よりフリーのジャーナリスト。若者の雇用、結婚、出産・育児と就業継続などの問題を中心に活動している。著書に『ルポ 正社員になりたい―娘・息子の悲惨な職場』(影書房、2007年、日本労働ペンクラブ賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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katoyann

22
2011年刊。職場環境により流産してしまう女性たちを追ったルポ。妊娠中も仕事を休めず、流産するケースが意外と多いことに驚いた。つまり育休を取得できない女性が多いのだ。構造的な要因としてはまず非正規雇用の女性が多いこと。彼女たちは妊娠すると雇い止めに合うことが多く、ギリギリまで仕事してしまう結果、流産してしまう。もう一つは企業が目先の経営効率しか考えていないこと。正社員であっても育休取得に難癖をつけられ、流産するケースがままある。筆者は職場流産を12万人と見積もっているが、少子化も宜なるかなという感想だ。2023/07/31

おかむら

12
読んでて腹が立つやるせないやら。女性が働きながら出産育児することの過酷さたるや、私の頃より悪化してるわ。昔は子どもできたら家庭に入って夫の稼ぎだけで生活できるってのがまあ当たり前の時代でしたが、今でもその頃の意識でいるオヤジどもが多いのでは? なんか割りを食うのが女ばっかな気がするわ。実際のところ企業側に妊婦を気遣う余裕がないだろうけど、このままじゃ少子化どんどん進むぞ。2013/10/25

貧家ピー

8
2011年の発行。雇用環境の劣悪さが原因と考えられる妊娠異常や分娩異常の状況を紹介。 医療現場の労働時間、保育士の待遇など、子供を生み育て、支える、ことの危機は今も改善されていないのではないか。2019/04/05

Lisa Tada

5
デンマークの調査で、妊娠中の母親に重度の心的ストレスがかかると子が統合失調症になる関連が示されたということに衝撃を受けた。いわゆる生まれながらの障害児も、妊娠前・妊娠中の母親の心身の状態により発生率があがると。この本は、女性(およびパートナーの男性)の、結婚、妊娠、出産、流産を軸に、日本経済や文化、なにより医療と介護の破綻しつつある構造的問題を明らかにする。私は妊産婦になったことはないけれど、かなり衝撃を受けた。これから社会に出る女性に、会社選びや仕事選び、結婚、出産について一読・必読して欲しい一冊。 2023/01/21

あづさ/kyoka

2
衝撃的なタイトルと内容ですが、既婚未婚男性女性を問わず、誰もが考えるべきテーマだと思う。妊娠・出産・育児をしながらでも安心して仕事できる社会は、きっと万人にとって働きやすい社会だと思うから。障害者雇用を積極的に行い利益を生んでいる農業系の会社のエピソードは参考になった。短時間正社員の制度はもっと広まってほしいと切に感じた。2013/10/20

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