出版社内容情報
写真や映画などの近代的な視覚テクノロジーに重点をおきながら,美術をも含めた幅広く多面的なイメージ分析を実践する.成瀬巳喜男からマネまで,ドゥルーズから山東京伝まで,古今東西のフィールドを駆け巡る表象文化論のまなざしの豊かさが示される.
内容説明
可視性それ自体の根拠を支えている見えないものの強度の諸相を浮き彫りにする表象文化論のまなざし。多面的なイメージ分析。
目次
1 映像空間の署名(成瀬巳喜男または二重の署名;伝神絵;映像の負荷と可能性―陳凱歌論 ほか)
2 イコノロジー/イデオロギー/エピステモロジー(ミメシスと想像力―ボードレール『1859年のサロン』を中心に;近代のイメージとイメージの近代―マネの「鉄道」をめぐって;「見立て」美学の構造―山東京伝の場合 ほか)
3 イメージ、その論理と倒錯(盲目論―分離的差異化の記号について;記号と徴候―精神分析の美術史への適用をめぐる覚書き;ドゥルーズと写真の論理学―対象Pをめぐる倒錯と実践 ほか)