出版社内容情報
敦煌、龍門、雲岡の三大石窟。人物画の天才顧■之。書聖王羲之を紹介。
無数の仏教徒によって千年近くも開削が続けられた敦煌(とんこう)の莫高窟(ばっこうくつ)、国家安寧のために開削された雲岡(うんこう)と龍門。中国の三大石窟の取材は、現地の気候との戦いでもあった。砂漠の真ん中にある敦煌では、夏季の日中の気温は50度。まさに炎熱地獄である。しかし、石窟に入ると20度を切るという状況である。後漢が滅び、約370年にわたる動乱期に入った中国だが、一方で新しい美術が次々と誕生した。中国で書聖と崇められた王羲之(おうぎし)は、4世紀、東晋の人である。彼の書は、唐の太宗がことのほか愛して収集し、清朝に至るまで代々の皇帝の宝物として珍重され続けた。『女史箴図巻(じょししんずかん)』で知られる人物画の天才顧■之(こがいし)の作品など南北朝時代の絵画や書の展開を紹介する。
曽布川 寛[ソフカワ ヒロシ]
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岡田 健[オカダ ケン]
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内容説明
『三国志』で有名な魏・呉・蜀の時代から隋による統一王朝までの約370年余。敦煌、龍門、雲岡の三大石窟に花開いた荘厳華麗な仏教美術。「書聖」と崇められた王羲之を筆頭に、中国美術史上最高の到達点を示した書画芸術の精華を紹介する。
目次
総説
第1章 彫塑
第2章 絵画
第3章 書
第4章 工芸
第5章 仏教美術
第6章 建築
テーマ特集(魏・晋・南北朝時代の鏡;南北朝時代の道教とその造形)