内容説明
平安王朝の女性は、宮廷を飾る花ではなく、家政をとりしきり、時には政治まで動かす存在だった。生い立ちから結婚、子育て、老いにいたる年齢による家での役割分担、長寿を全うして至福の時を迎えるまでの一生を描く。
目次
序 至福の時
春 芽吹きの時
夏 情熱の時
秋 熟すとき
冬 至福の時をめざして
終 旅立ちのあと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
若黎
8
積読の山から発掘。ふーん、なるほどね、というところかな。道長のときが摂関家最盛期だよなあ。后がねの娘を産んでくれた妻を持ち、天皇となるべき男子をきっちり産める娘に恵まれ、かつ国母としても力を出してくれたからねえ。 貴族の女性に生まれても、男運も子供運も大事だねえ。短絡過ぎる感想だけど。2021/07/23
timeturner
4
この時代の無名女性の生き方は、いまだに文献を丹念に調べては少しずつ掘り起こしている状態だとわかった。ネット上の聞きかじり情報は信じちゃだめだね。とりあえず基本はわかったので安心して陰陽師の続きを読む。2017/10/29
伊達者
3
歴史文化ライブラリーシリーズの初期の本。高校生にも理解できる内容を目指していとのことだがなるほどその意図に沿ったわかりやすい本になっている。ジェンダーの視点も取り入れたとは著者の言だが平安時代の女性は随分と活躍していたのだなと認識が改まった。あくまで貴族社会においてだろうがまずは女子が生まれることを望んでいたというのも面白い。2023/10/21
リリパス
3
平安時代の女性たちの生き方を、春(乳幼児期)・夏(思春期)・秋(青年期)・冬(老年期)と、4つに分けて説明している本です。史料が多い、貴族女性の生活を中心に書かれており、史料があまりない、庶民女性の生活は、簡単に書いてあるだけですが、どんな違いがあったのかというのがわかります。2021/01/15
紫暗
2
平安時代の女性達がどのように生まれ、成人し、死んでいったかがわかりやすく書いてあります。が、同著者の「平安時代の男と女」という本の方が細かいところまでわかりやすいかもしれません。こちらの本は男女差、つまりジェンダーから見た女性という感覚が強かったです。それよりはもっと細かく女性の成長について記述して欲しかったかな。2010/02/11