感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chanvesa
22
『島根のすさみ』が江戸にいる家族への近況報告の面が強いのに対し、『長崎日記・下田日記』は記録の要素が前面に出ている。解説の「ぶらかし策」(252頁)はさぞかしプチャーチンをいらつかせたろうが、その側面は注記に盛り込まれており、聖謨の肉声からはあまり伝わらないように感じる。それでも48~49頁に書かれている協議の際の座り方への、日本側のこだわりとロシア側のどうでもいいという考えの差には、全てが現れている気がする。左衛門尉をロシア皇帝の小姓にする作戦は無理か。。。と言う記述(175頁)は流石のユーモアセンス。2018/07/18
tkm66
2
いや、川路聖謨の日記は騙されたと思って読んで下さいな。普通に読めますから!しかもすっごく面白いから!
コカブ
0
川路聖謨の日記のうち、1853年~54年にかけて長崎・下田でロシアのプチャーチンと交渉した時のもの。53年秋~54年初にかけて勘定奉行露使応接掛として長崎で交渉した。54年秋~55年初にかけて再来航したプチャーチンと下田で日露和親条約に調印したが、安政東海地震の津波が下田を襲い、ディアナ号が破損沈没する。55年にプチャーチンがヘダ号を造船して出港すると、川路は帰江した。家族向けに書いた日記なので具体的な交渉内容はないが、それは注が補っている。やや無味乾燥な内容だが、夜を徹して歩く体力には感心させられる。2012/11/17