ハヤカワ文庫
ミュンヘン―オリンピック・テロ事件の黒幕を追え

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  • サイズ 文庫判/ページ数 388p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150503048
  • NDC分類 316.4
  • Cコード C0131

内容説明

1972年9月、ミュンヘン・オリンピックの選手村をパレスチナ・ゲリラ“黒い九月”が襲い、イスラエル選手団の11人を惨殺した。イスラエル政府は報復を決意、情報機関モサドが暗殺チームを組織し、“黒い九月”の幹部を次々と抹殺し始める。スパイ小説の巨匠が、衝撃のテロ事件とその後の復讐を克明に再現し、アラブとイスラエルの対立の原因と歴史を明らかにする。

目次

プロローグ アイソトープ作戦
第1部 父(殺し屋;マホメットの剣;井戸に毒を!;サラメを殺せ!)
第2部 息子(黒に身を包んだ男;裏切り者の血を飲め!;栓をしたままのシャンパン;サラメを殺せ!;必死の追跡 ほか)
第3部 孫

著者等紹介

バー=ゾウハー,マイケル[バーゾウハー,マイケル][Bar‐Zohar,Michael]
1938年ブルガリア生まれ。ナチスの迫害を逃れてイスラエルに移住。ヘブライ大学卒業後、パリ大学で博士号を取得し、新聞社の特派員となる。1967年、イスラエル国防省の報道官を務め、同年の六日間戦争と73年の第四次中東戦争に従軍。その後、ハイファ大学で教鞭をとり、国会議員にもなった。スパイ小説の巨匠

ハーバー,アイタン[ハーバー,アイタン][Haber,Eitan]
元軍事評論家で、イスラエルのイツハク・ラビン首相の首席補佐官を務めた。諜報活動や秘密作戦に関する著書多数

横山啓明[ヨコヤマヒロアキ]
1956年生。早稲田大学第一文学部演劇学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

権現

12
表題こそイスラエル人オリンピック選手が殺害されたミュンヘンオリンピック事件を元にしているが、本書が描くのはパレスチナ問題そのものの歴史と言っても過言ではない。その誕生の瞬間から、特異な地理的重要性のために諸外国からの侵略を受け続けてきたパレスチナ。それが第一次世界大戦という暴力の時代を契機に、止まらない憎悪の連鎖を生み出していく様相が余すことなく描かれている。最初は単純に祖国を守りたいと願っただけのハサン・サラメの一族が、やがて終わりのない暴力の狂気に呑み込まれる。現代に通じる問題を読み解ける一冊。2017/10/12

Tetchy

6
これは報復の時代に生まれた人間の血の物語だ。前世紀に中東で起こった民族間抗争を総括するのに本書は優れた書物であり、私にとって歴史の空白部分であるその時代を知るのにいい教科書になった。本書の末尾でも語られているように、第2の“血まみれ王子”は既に生まれている。オサマ・ビンラディンという新たな恐怖の王にいかにして世界は対抗していくのか。いや、それだけではなく、なぜビンラディンを差し出す人間が現れないのか。この本を読めばその理由がはっきりと解るだろう。世界の正義は必ずしも1つではないことが。2010/04/30

がんぞ

4
1972年6月、ロッド空港事件。9月ミュンヘン五輪(テロリストとの交渉、奪回作戦に失敗し)イスラエル選手9人全員死亡。テロ集団『黒い九月』はイスラエルの抹殺を目的としている…「あらゆる手段を使って」消滅させることが首相も含めた会議で決定された。フォーサイス『神の拳』にもあるがエジプトが元ナチの技術者を招いてミサイル開発しようとしたときには暗殺さえ決行し圧力をかけた/数々の誤算誤爆はあったが最終的には(怒りに駆られPFLP議長と親密なのを隠さなくなっていた)最高責任者サラメを巻き添えなしに暗殺するのに成功2016/11/04

へちゃむく

3
「血塗られた」「血で血を洗う」「血みどろの」と血の付く修飾語がいくらあっても足りないくらいの歴史です。この本を読むと、日本人のアイデンティティなんてなぁ脆弱だなぁ、しかしそれは素晴らしいことだなぁと思えます。あと、スピルバーグの「ミュンヘン」っていう映画を見るならば絶対に読んでおいたほうがいいと思います。2010/10/11

ポルターガイスト

2
本書が扱うのはオスマン帝国の解体からオスロ合意までのパレスチナの歴史。まさに「血で血を洗う」を地で行くようなテロルと国際的陰謀の連鎖を乾いた文体で描いている。1ページ目から最後まで度肝を抜くような展開が延々続いて全く気が抜けない。一気に読めた。しびれた。筆者が元々スパイ小説を手がける作家なので構成力が抜群に優れている。ただ全体としてイスラエル寄りなのと,まんべんなく国際的背景や歴史の流れが押さえられていない点については,歴史書ではないのだから仕方ないが気になった。2017/11/25

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