鎌倉うずまき案内所

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784800296528
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

主婦向け雑誌の編集部で働く早坂瞬は、取材のため訪れた鎌倉で、ふしぎな案内所「鎌倉うずまき案内所」に迷いこんでしまう。そこには双子のおじいさんとなぜかアンモナイトがいて……。YouTuberを目指す息子を改心させたい母親。結婚に悩む女性司書。クラスで孤立したくない中学生。気づけば40歳を過ぎてしまった売れない劇団の脚本家。ひっそりと暮らす古書店の店主。平成のはじまりから終わりの30年を舞台に、6人の悩める人びとを通して語られる、心がほぐれる6つのやさしい物語。最後まで読むと必ず最初に戻りたくなります。

内容説明

古ぼけた時計屋の地下にある「鎌倉うずまき案内所」。螺旋階段を下りた先には、双子のおじいさんとなぜかアンモナイトが待っていて…。「はぐれましたか?」会社を辞めたい20代男子。ユーチューバーを目指す息子を改心させたい母親。結婚に悩む女性司書。クラスで孤立したくない中学生。いつしか40歳を過ぎてしまった売れない劇団の脚本家。ひっそりと暮らす古書店の店主。平成時代を6年ごとにさかのぼりながら、6人の悩める人びとが「気づくこと」でやさしく強くなっていく―。うずまきが巻き起こす、ほんの少しの奇跡の物語。

著者等紹介

青山美智子[アオヤマミチコ]
1970年生まれ、愛知県出身。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。第28回パレットノベル大賞(小学館)佳作受賞。『木曜日にはココアを』(宝島社)で小説家デビュー。同作と2作目『猫のお告げは樹の下で』(宝島社)が未来屋小説大賞入賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

519
”大人の階段をのぼる”と言うように階段を一段一段上がっていくということは、人が成長していくということでもあります。そんな階段を降りていくように他人の人生、今そこに輝いている人の過去の姿を見るこの作品。”きっかけ”、”起点”を大切に描く青山さんが綴るこの作品。それは、今を生きる人たちの三十年の時間を遡ることで、そんな彼らの苦難の歴史を紐解く物語。過去を遡っていく画期的な構成が、そこに驚きと感動を紡ぎ出す物語。青山さんなりの拘りをふんだんに盛り込みながら小説の一つの可能性を提示した画期的な作品だと思いました。2021/09/15

けんとまん1007

425
6編からなる短編集でありながら、タイトルにある「うずまき」のように、繋がっている1冊。こんな案内所があったら、自分はどうなんだろう?人は、ちょっとしたきっかけで、明日が開けることがある。自分では気づかないだけで、実は、自分の中に答えを持っていると、よく耳にする。そんな気づきに導いてくれる「うずまき」。もしかして・・・他の著作とも繋がっているような気がしてきた。2019/11/03

ウッディ

379
やる気のでない雑誌編集者、息子の進路に悩む主婦・・人生にはぐれてしまった人がたどり着いたのは「鎌倉うずまき案内所」。双子の老人とアンモナイトが示してくれた道標で好転する連作短編集。平成の時代を六年毎に遡っていく構成とあちこちに張り巡らされた伏線がきれいに回収されていくのが気持ち良い。そして、一つ一つの物語が優しく、心に響く。特にクラスで孤立したくない女子中学生の話が良かった。1話の脇役ノギちゃんの中学時代、素敵な想いでを胸に夢をかなえたのがジーンとした。とっても面白かった。青山美智子さん、おすすめです。2020/10/03

ひめか*

339
1989年から2019年までのお話が時代を超えて描かれる連作短編。若い頃苦労していた人が近年立派になっていたり、甘酸っぱい青春を味わった人が夢を叶えていたり。みんなの人生が渦巻きのようにぐるぐる交差していくのが胸にグッとくる。どの時代にも何かにはぐれた人の前に現れる、鎌倉うずまき案内所。ファンタジーながらも、それぞれの出来事は現実味があって共感!希望じゃない部署で働く意義を感じられなかったり、友達に合わせる面倒な青春時代とか。私はヒロチューと近い世代で時代背景も懐かしくてタイムスリップのようで楽しかった!2023/02/06

まちゃ

241
少し心が軽くなり、そして繋がっていく奇跡の物語。青山さんらしい期待通りの一冊でした。古都・鎌倉で「はぐれた人」が訪れる、古ぼけた時計屋の地下にある「鎌倉うずまき案内所」。そこには双子のおじいさんと所長のアンモナイトが待っていた。平成時代を6年ごとにさかのぼりながら、6人の悩める人びとが「気づくこと」でやさしく強くなっていく。2019年蚊取り線香、2013年つむじ、2007年巻き寿司、2001年ト音記号、1995年花丸、1989年ソフトクリーム。時々の世相もどこか懐かしい。2021/06/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14031794
  • ご注意事項