教室マルトリートメント

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教室マルトリートメント

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  • サイズ 46判/ページ数 300p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784491042626
  • NDC分類 375.2
  • Cコード C3037

出版社内容情報

マルトリートメント:不適切なかかわり・養育

“教室”マルトリートメント:教室で行われる子どもの心を傷つけるような不適切な指導を示す造語

「教室マルトリートメント」。本書のタイトルであるこの言葉は、筆者である川上康則先生(東京都立矢口特別支援学校)の造語です。教室内で行われる指導のうち、体罰やハラスメントのような違法行為として認識されたものではないけれども、日常的によく見かけがちで、子どもたちの心を知らず知らずのうちに傷つけているような「適切でない指導」を取り上げています。

例えば、事情を踏まえない頭ごなしの叱責、子どもたちを萎縮させるほどの威圧的・高圧的な指導などは分かりやすい例です。しかし、本書ではもう少し掘り下げて、褒めるべき時に褒めないとか、「子どもにナメられるから」という理由で笑顔を見せないといったことについても、教室内を重い空気感で包んでしまう指導として取り上げたいと思います。

「マルトリートメント」という概念は、海外ではチャイルド・マルトリートメント( child maltreatment )という表現で広く知られています。mal(マル=悪い)+treatment(トリートメント=扱い)で、マルトリートメント。「不適切な養育」「避けたい関わり方」「行われるべきでない指導」などの意味で使われます。

日本の児童虐待防止法で定められた内容(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待)よりも広い概念で語られ、子どもの将来を案じてよかれと思って行う「しつけ」や、大人が過去に受けてきたからという理由で行われる指導であったとしても、子どもの育ちにマイナスであれば許されていません。マルトリートメントは、子どもの心にトラウマ(心的外傷)をつくるとされ、脳の一部の萎縮や肥大などの変形につながることも、小児神経科医の友田明美氏の研究によって報告されています。

マルトリートメントは、基本的に親子関係の養育において扱われる概念です。
しかし、不適切な関わり方や本来であれば行われるべきでない指導といった視点から見てみると、教育関係者こそ、常に気を付けておくべき概念なのではないか――。本書では、そのような問題意識のもと、密室空間である「教室」で、「指導」の名の下に子どもたちを傷つけるような関わりが、知らず知らずのうちに行われていることがないか、検討していきます。

本書では、違法行為の一歩手前のレベルの「行き過ぎた指導」から、これまでは当たり前に行われていた指導だけれども、改めて考えると子どもの心を傷つける要素をもつ指導まで、幅広く「教室マルトリートメント」として整理し、教室マルトリートメントに陥らないための予防と知識を押さえていきます。さらに、自分が「教室マルトリートメントをしてしまっているかもしれない」という場合に、今すぐに実践したい立て直しから、常に行いたい教師としての自己検証のやり方まで、その改善方法を具体的に提案していきます。

内容説明

子どもの心を傷つける毒語、威圧的・支配的態度などの不適切な指導が発生する要因を、教育界の構造的な問題から検討し、教師という職業に漂う不安に寄り添う。

目次

序章 「違法ではないが、適切ではない指導」が学校を支配する
第1章 はりつめる教室
第2章 教師が子どもを傷つける
第3章 圧は連鎖する
第4章 教室マルトリートメントを防ぐ
第5章 教室マルトリートメントを改善する
第6章 安全基地としての学校
巻末対談 教師の傷を癒やし、教室マルトリートメントを断つ(友田明美×川上康則)
終章 教室の空気を変えていきたいあなたへ

著者等紹介

川上康則[カワカミヤスノリ]
東京都立矢口特別支援学校主任教諭。公認心理師、臨床発達心理士、特別支援教育士スーパーバイザー。NHK Eテレ『ストレッチマンV』『ストレッチマン・ゴールド』番組委員。立教大学卒業、筑波大学大学院修了。肢体不自由、知的障害、自閉症、ADHDやLDなどの障害のある子に対する教育実践を積むとともに、地域の学校現場や保護者などからの「ちょっと気になる子」への相談支援にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ムーミン

30
今一度先生方、保護者はもちろん、子どもたちと向き合っている大人が、自分を振り返る視点を与えてくれる一冊。まずは謙虚に受け止めたい。2022/06/08

テツ

19
日本の学校の先生(特にチンパンジーと大して変わらない知能&精神の年代を相手にする方)は本当に大変だなと頭が下がります。生きていくために必要な基礎的な学力や、より高い知識を得るための場に進むための学力を身につけさせるだけではなく、社会という群れに所属するための躾までしなければならないというプレッシャーは凄まじいだろう。そんなもん本来養育者がするべきだと思うけれど、やらなければならないのなら仕方がない。それを円滑に教えるために必要なのもまずは信頼関係。信頼をベースとした確固たる上下関係。難しいよなあ。2022/11/26

なほこ

16
身体的虐待、性的虐待は、学校現場で「体罰」や「わいせつ行為」として処罰されるけど、ネグレクトや心理的虐待も学校の中で起きてますよね?あなたの言動はどうですか?と指導のあり方を見直す本。この本読んでる途中やのに、つい怒りの感情に任せた指導してもーて大反省。人権感覚がアップデートされてる時代やからこそ、教育現場に携わる人みんな読むべき1冊やと思います。(恐れ多くて言えないですが、特に私が憧れてきたビシバシ系の先生に読んでもらいたいです)2023/04/30

スナイデル

12
42023/01/08

しずかな午後

12
生徒を厳しく叱責したり、褒めなかったり、見捨てるような態度を取ったり…。本書は、そうした威圧的な指導(マルトリートメント)ではなく、暖かな信頼関係にもとづく教育をすることの大切さを伝える。まずは笑顔を絶やさないこと、そしてよく褒めること、この二つを大事にしたい。自分が昔好きだった先生は、何よりいつも笑っていたな、としみじみ思い出した。また、信頼関係は、相手の苦しみやもがきを理解し、その代弁者となることで生まれる、という話に納得する。2022/09/25

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