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内容説明
「妊婦はトイレを掃除すると、綺麗な女の子が生まれる」「厄年の男女は、その年齢の数だけお金を撤く」―民俗信仰のしくみを読み解く。
目次
第1章 人はなぜ縁起をかつぐのか(不満と不安;実践と分析;呪術と技術;霊的存在と霊感;運気のリセット;縁起物と汚穢物;厄年と厄払い;厄払いとは何か;神社に賽銭を投げる)
第2章 縁起かつぎと厄除け・厄払い(正月の縁起物、その意味とは;節分に太巻きは、昔から?;奇妙なはずの熊手がありがたい理由;日本人と桜花)
第3章 開運・招福の知恵(縁起物の小さな歴史;家に幸運を招くには;子授かりへの切実な思い;便所には、不思議が多い;経験知から迷信へ)
第4章 縁起かつぎと民俗学(「類感呪術」と「感染呪術」;「通過儀礼」と「境界」;「境界」と「汚穢」;「リミナリティ」と「コミュニタス」;「両義性」と「境界」;まれびと;ハレとケ;ケガレ;ケガレからカミへ)
著者等紹介
新谷尚紀[シンタニタカノリ]
1948年広島県生まれ。早稲田大学史学科卒業、同大学院博士課程修了。国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授。社会学博士(慶應義塾大学)。柳田國男の著作に刺激をうけ、民俗学の道を志す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
41
【図書館】「民俗信仰を読み解く」というのが実質的な内容であるとあとがきにあるように、文化人類学的な面からの解釈が主で、とても面白かった。その宗教的儀式と文化には、あらゆる意味における〈境界線〉が大きな役割をもつ。門や敷居、結婚から、成人まで、そこで執り行われる分断は接続のようでもある。時が変わるとき、例えば、月の始まりから、一年の始まりまで、その時間が変わるときの境界線における切り替えの意味。カラスの鳴き声から、便所での儀式とその意味が地域によって違うこと。髪が守り神になれば、汚いと感じたりする。面白い。2014/10/21
ユウユウ
34
思ってたより本格的な内容でした。2016/10/05
ゆきこ
6
縁起物・縁起かつぎの由来や様々な事例、それを読み解くうえで重要になってくる「境界」や、「ケガレ」から「縁起物」への循環のメカニズムなど、読みどころが多くとてもおもしろかったです。後半は特に学術的で勉強になりました。縁起物といえばお正月!ということで年末年始のこの時期にこの本を読んでよかったです。2015/12/21
羽景
1
今年初めての読書は、やっぱりこの時期にふさわしいもので。 ふだんの私たちの生活では、昔からの日本らしい行事、日本人らしさというのはだんだんなくなってきている様に感じる。最後の砦がお正月であるような気がします。そこで、日本人の昔ながらの姿、そしてそれにすくなからす引きずられている現代人の感覚を理解するために手にした本。なかなか面白かった。2010/01/03
欠陥コイン
0
200906142009/06/14