出版社内容情報
独創的な思想を起ち上げた哲人は、実人生では苦しみと悲哀の渦中を生きた。家族の死と病気、子供、親族への想い、大拙を始め、旧友との生涯に渉る交情、大学の同僚、門下に示した配慮と学問への厳しい姿勢、戦時下での国難への批判を書簡により伝えた書簡の中で、率直、明快な言葉で自己の想いを語り、その素顔を見せる。西田幾多郎の書簡を精選する。
内容説明
西田幾多郎は日本ではじめて独創的な哲学を起ち上げた人である。しかし実人生では多くの苦しみや悲哀を経験した。書簡の中で西田はその思いを率直に語っている。また鈴木大拙をはじめとする旧友との交流や、門下生に対するあふれる愛情、戦時下の政治への直截な批判などを記した文章のなかに、われわれは人間・西田幾多郎を見る。
目次
第1部 学びの時期―研究者への歩み
第2部 西田哲学の構築―京都大学時代
第3部 思索のさらなる展開―退職後の思想と交流
第4部 時代の流れのなかで―一哲学者の晩年