内容説明
中国史上、ただ一度だけ青春の花を開かせた北宋の開封。外圧による苦難の時代にもかかわらず躍動した都市生活が往時の絵画を手がかりにいまここに蘇る。
目次
1章 都市開封の出現
2章 開封の景観と構造
3章 都市の1日、都市の1年
4章 祝祭都市
5章 都市生活の展開
6章 庶民の生活
7章 開封のたそがれ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
22
開封の都市生活の叙述を中心とした社会史的試み。『東京夢華録』や『清明上河図』を始め、様々な史料から都市の構造、景観、人々の暮らしを描く。開封が五代から受け継がれ帝都となったことは山東と結ぶ華北内での好位置であり、唐の帝都長安はいささか西に寄りすぎていたとする。そのような地の利のもと、開封では様々な職業が発達する。出版業や書店経営、金融、旅館、倉庫業、占い師、ペット産業など様々。開封の栄華はその満開の手前で外的要因によって終わる。活き活きとした叙述に、充実した参考文献。とても面白かった。2022/01/06
うな坊
0
おもしろかった。著者は多数の本に依拠しており、説得力がある。「首実験」(p.232)は玉に瑕。2013/10/22