ちくま学芸文庫<br> 江戸の歴史家

ちくま学芸文庫
江戸の歴史家

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  • サイズ 文庫判/ページ数 381p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480081018
  • NDC分類 210.01
  • Cコード C0195

内容説明

新井白石、荻生徂徠、頼山陽ら江戸時代の思想家たちは、日本の歴史そして同時代をどのように考えていたのだろうか。現にある体制を支えるはずの歴史思想が、いつしかそれを顛覆する思考に転化するダイナミズムはいかにして生じたのか。「歴史主義のデーモン」の活動は、いま二十世紀末にも始まっている。その始原を江戸時代に探った、サントリー学芸賞受賞のまぼろしの名著ここに復刊。

目次

歴史主義の毒
林家史学の功罪―『本朝通鑑』の成立をめぐって
新井白石の史論
古学派の歴史意識(山鹿素行;荻生徂徠)
水戸史学と『大日本史』―前期水戸学の歴史思惟
頼山陽と歴史的ロマン主義
国学と歴史的個体性
歴史思想と歴史意識の接点―後期水戸学の始発をめぐって
幕末の危機意識と歴史像
歴史意識のホリゾント

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

10
江戸の政治思想は政治的主体性の余地を残す歴史意識を生んだにも拘らずそれが西欧思想におけるようには成熟しなかった。この丸山真男の見解に、戦中派の橋川文三の影響を受けた著者は疑問を呈してる。歴史主義は価値の相対化を生み、それに対する反動として確固たる足場を歴史的個体性に求める歴史的・政治的ロマン主義を生む。丸山の言うように日本の歴史意識は未熟であったのではない。頼山陽に見られるようにこの弁証法の後段にまで達していた。天皇制を普遍化するナショナリズムもまたこの延長線上に出てくるのであって、封建制の残滓ではない。2023/12/23

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