出版社内容情報
初刊は昭和33年11月、飯塚書店より刊行。みずみずしい感受性で、日常の中から社会を見つめた、心に染み入る詩集です。
目次
見えない配達夫
行動について
敵について
ぎらりと光るダイヤのような日
生きているもの・死んでいるもの
ジャン・ポウル・サルトルに
悪童たち
ばらの花咲き
世界は
真夏の夜の夢〔ほか〕
著者等紹介
茨木のり子[イバラギノリコ]
1926年6月12日、大阪生まれ。1943年、帝国女子医学・薬学・理学専門学校(現、東邦大学)薬学部に入学。1946年、繰りあげ卒業。1955年、第一詩集『対話』を不知火社から刊行。1990年、編訳『韓国現代詩選』を花神社から刊行。1991年、第四二回読売文学賞(研究・翻訳賞)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蘭奢待
45
詩人らしい表現で風刺、批評した作品が目立つ。詩だけに、スラスラ読もうとすればページを捲るスピードはどんどん上がるが、そんな読み方はそぐわない。一文字、一言、一文を味わい、考えながら、じっくりと味わいたい。2019/08/13
mayld
11
今年こそは去年発売された茨木さんの全詩集を手に入れたい!それまでは各詩集でひとつずつ作品と向き合ってみたい。おお、なんて贅沢なんだ!「敵について」と「友あり 近方よりきたる」が心に響いた。2011/01/10
nishitanabe1987
0
でもなんだかその敵は私をふるいたたせない2017/03/26
むん
0
「悪童たち」、「山の女に」が好きです。変化球ではなく、直球が茨木のり子さんの持ち味だと思います。「わたしが一番きれいだったとき」もインハイ直球の勝負玉で大好きです。2012/11/27
ぽこにゃん
0
今読むには、やはり古いという印象が拭えない。「わたしが一番きれいだったとき」が唯一知っている詩だったが、この詩が色あせないで感じられたのは、詩人のその時々の情景を伝えるでなく、詩人の意思として言い切るわけでもなく、高らかに詠い上げるようでいて、読み人に話しかけるようなやわらかな懐の広さと未来を感じられたからだと思う。 愛蔵版とのことだが、巻末の解説が、一体全体誰に話しかけているものを流用して載せたのかとやたら気になり、詩集としての価値の足を引っ張るような気がした。「小さな娘が思ったこと」にはドキリとした。2012/10/03