出版社内容情報
日記体で記された鎌倉幕府の公用記録書を、稀代のストーリーテラーが物語化。躍動感溢れるタッチで中世武家社会を描き、源頼朝の実像に迫る。
内容説明
以仁王、源頼政の挙兵から六代将軍宗尊親王の京都送還まで、八十年余りにわたって鎌倉幕府の事蹟を記す『吾妻鏡』。変則的な漢文体で書かれたこの公用記録書を、コミック界きってのストーリーテラーが物語化。躍動感あふれるタッチで中世武家社会を描き、源頼朝の実像に迫る。平成九年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かっぱ
43
京都在住だから、源頼朝より源義経に親和性を感じるため、鎌倉幕府の歴史というとこれまであまり興味を持って読んだことが無かった。肝心の平家追討は弟の義経に任せて、源氏の大将として決して坂東の地を出ることが無く、鎌倉という拠点をしっかりと築き上げる辺りが武士の頭領でありながらも、政をしっかりとわきまえているように思われる。これも、京都の公家という既存の権威に近づかないための策で、将来構想があってのこと。しかし、頼朝の側近である梶原景時というのは曲者のようでどうも好きになれない。2019/10/12
てつのすけ
41
源頼朝の挙兵から平氏が都落ちするまでの巻。 先に平家物語を読み終えているので、非常に理解しやすかった。学生時代の歴史で習った平安時代後期から鎌倉時代へ向けての話は、この上巻を読み終え、より深く理解できたと思う。さっそく続きを読み進めよう。2020/02/08
みっちゃんondrums
30
好きだった竹宮惠子先生。先日行った川崎市民ミュージアムでの原画展で、読んだことのないこの本を購入。上巻は、平家物語と重なる。頼朝・義経はやはりいい男に描かれてるね。二人の対面シーンは、お約束通り泣ける。しかし、やはり人名・登場人物が多すぎて覚えていられない。歴史書の漫画化だから、面白さに欠けるのは仕方がないのかな。2019/04/30
鯖
29
再来年の大河「鎌倉殿の13人」の予習だよワーイ!!学生の頃以来の再読かな。頼朝が数少ない武功を称えられるシーンが石橋山の戦いだったり、捕らえた平重衡の教養や芸、優美な姿に「おれが伊豆でニートしてる間にいい思いしやがってぐぬぬ」ってなってたり、あー頼朝っすなーと。上巻は義高が斬られ、大姫が嘆き苦しむところまで。2020/02/01
荒野の狼
27
マンガ日本の古典(全32巻)の14-16巻は竹宮恵子による「吾妻鏡(上・中・下)」。同時代を扱ったものに第10-12巻の横山光輝「平家物語(上・中・下)」がある。両者を比較すると、本書の方が格段に面白く、主要登場人物も魅力的に描かれている。両者を読めば、本書は源氏の、平家物語は平家の視点から書かれているので理解は深まるが、どちらか一冊ということであれば、本書を勧めたい。2023/12/19
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- 和書
- 心変わり 岩波文庫