新潮・現代世界の文学<br> 予告された殺人の記録

新潮・現代世界の文学
予告された殺人の記録

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  • サイズ B6判/ページ数 150p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105090043
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山口透析鉄

25
時期は前後していますが、この小説を元にした映画、大学側のお店でVHSを借りて見た記憶があり、映画もかなり良かったという記憶があります。 これ、新潮文庫にもあるようですが、私は文京区の図書館で単行本を借りました。 題名通り、実際にその通りに事件が発生してしまうんですよね。 やはりちょっと不思議な作品の1つです。1990/06/09

hanchyan@飄々 

25
ジェットコースターの急降下には当然その分の上昇が必要で、たいていの場合読者は頂点へとじわじわ近づくその間「くるぞ来るくる」と感じる余裕があるものだが、本作は、回転木馬のつもりがまさに乗ったその地点から身構える暇もなくいきなり急降下が始まる感じ。絶叫こそしなかったが(笑)冒頭数ページで否応なく酩酊。個を生贄にする共同体の祝祭・外部からの客人(まろうど)・神の沈黙、といった物語素は訳者あとがきでも一目瞭然(笑)だが、なにより視点・時点にブレなくあの揺れを起させるテクストそのものに震撼。さすがノーベル賞だぞ!2015/03/12

galoisbaobab

12
人生における第2次マルケスブーム到来の予感。伝統慣習妬み嫉み愛憎が冤罪生贄を作り出し自壊していくコミュニティをルポしていくテイの小説。ラテンアメリカ臭ムンムンだけどココにラテンアメリカが抱える悲しき歴史とそんな悲しい歴史を乗り切る強い生を感じることができます。マルケスの小説の辛いところは登場人物の名前がスッとこころに染み込んでこないところなんだよな。2015/08/31

ペペロニ

10
ルポルタージュのような文体で「わたし」による取材で構成された物語。始まりから終わりを順番に描くのではなく、殺人の前後を行ったり来たりしてラストに強烈な殺人シーンを持ってくる構成は見事だった。殺人の発端に関する謎や予告された殺人を何故防げなかったか等、それらは重なった偶然や複雑な人間関係によるものでなかなか興味深い。訳者あとがきが物語の本質を教えてくれて、共同体云々についてなるほどなーと納得。面白かった。2018/08/07

Hisashi Tokunaga

8
ノベル文学賞受賞のガルシアマルケスが4月亡くなったことを新聞の報道で知った。事実も文学も殺人は多様だ。殺人という事実が日常とは何かを隠して営まれるものだという衝撃。サンチャゴナサールの母親は彼の夢判断をしっかりあててきたというのがイントロだ。そして、最終的にプラシッダリネロの錯誤がナサールの死に繋がってしまう。コロンビアと言う国の特異性を解説で教えてもらいつつ、この殺人事件を描く作者の真意はそれぞれの委ねられてもよい。2014/04/28

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