出版社内容情報
中国の急激な市場経済化は社会を根底から揺さぶり,国民の意識まで変えつつある.79年の改革・開放政策開始以後,特に92年以来の市場経済化政策による中国社会の変化の様子を,生身の人間の言葉,生き方を通して描く.
内容説明
1978年の改革・開放政策開始以後、特に92年以来の市場経済化政策によって、中国で何が起き、社会はどう変化しているのか。著者は94年から98年まで毎日新聞北京特派員として中国各地を訪れた。豊富な取材体験をもとに、日々のニュースでは伝えられない社会の諸相と中国人の心の内側を、人々の生の言葉を紹介しながら描く。
目次
第1部 胡同(横丁)の生活(火鍋屋繁盛記;北京大爺 ほか)
第2部 吹き込む風(三里屯酒場ストリート;アメリカ万歳 ほか)
第3部 崩壊(単位にさよなら;居民委員会 ほか)
第4部 復古調(文化大革命;60年代ブーム ほか)
第5部 新しい時代(天橋夢舞台;下崗 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぺおる
1
興味を引かれる記述はいくつかあるけど、総評としては個人的に微妙。2020/10/04
残留農薬
1
90年代の中国人が直面した激変と困惑がどのように展開していったのか、00年代、10年代を(ある程度)知っている我々が考えるきっかけになると思う、読みやすくて取材先も多岐にわたっていた。2017/09/09
ひろし
1
改革開放が中国にもたらした変化を社会の様々な側面から描く。中国社会というと格差くらいにしか思っていなかったが、人々の生活に根差した視点には新鮮なものを感じた。この本が書かれてから15年、この本に書かれていたことはどう変化したのだろう。2014/03/02
Kumo
0
市場経済と題したものは往々にして行政や資本家の話に終始しがちであるが、本書は市井の意見に取材している。市場経済に揉まれながらも、何処か泰然と現況を捉えるような、大陸人の気質が見え隠れする。2015/09/15
kenyoi
0
社会主義から資本主義導入の波の中で生きた人々の人間ドラマ。2012/02/02