出版社内容情報
一七八九年にはじまる十年間は,フランス人が世界史の主役を演じた時期であった.フランス革命は近代のあらゆる革命のモデルであり,それはまた,人間の強さと弱さ,美しさと醜さを同時にふくんだ壮大なドラマであった.簡潔な記述によってフランス革命の世界史的意義を明らかにしながら,ナポレオン登場までの全過程をとらえる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
53
フランス革命は、自由だけでなく平等も実現した点であらゆる革命のモデルとされる。その主たる動因はブルジョアジーの台頭だが、革命を根底から突き動かしたものとして、戦争と重税に喘ぐ民衆の怒りも忘れてはいけない。人権宣言ののち議会は二年間に渡って、国家の在り方について話し合っている。しかしながらそれは富裕層の為の議論になっていき、民衆の欲求とはかけ離れてしまった。やがて「巨大な箒」が旧い秩序を人間もろとも一掃した後、ボナパルトの時代が来る。体制というものの頑固さは血を流さないとどうにもならないのかと、溜息が出た。2015/03/30
α0350α
4
再読です。やっぱり「小説フランス革命」を読んでから取りかかるべきでしたね。前回全く頭に残らなかった分も今回はしっかり残ってます。ルイ16世処刑以降は小説のネタバレじゃないかと思いましたが、元々知ってました。最後の人物表、処刑された人が多すぎですね。2012/10/07
kaizen@名古屋de朝活読書会
3
フランス革命のひとつの視点での記述。 いろいろな文献を紹介しながら、解説している。 ケネー「経済表」 ディドロ「百科全書」 ルソー「人間不平等論」「エミール」「新エロイーズ」「社会契約論」 匿名「第三身分とは何か」 桑原武夫「ルソー研究」 巻末にフランス革命人物略伝とフランス革命略年表があるのは便利。 参考文献として一覧がないのは少し残念。http://bit.ly/10CJ7MZ2010/06/29
讃壽鐵朗
2
革命とは、殺人行為が必須のことのようだ2016/06/10
Akiro OUED
1
熱い。著者の熱い筆致で一気読み。封建革命、社会主義革命、ブルジョア革命、共産主義革命。最近は、もう一つ、ポピュリズム革命があるかな。革命に疲れた第4階級が、ナポレオン帝政を選んだ。この流れを適用すると、イスラムテロリズムにくたびれた欧州が、ヒトラーを待望するのだろうか?2019/05/15