岩波文庫
日本語の系統

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  • サイズ 文庫判/ページ数 438p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003368510
  • NDC分類 810.29
  • Cコード C0181

出版社内容情報

今なお明らかになっていない日本語の系統と成立.本書はこの問題に関心を持ち続けた著者の論文12篇を集めた,日本語系統論の基本文献.言語学の方法に則って着実に検証してゆく様は,スリリングでさえある.(解説=大江孝男)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

27
今月の第1号。読むのに4日もかかりました。日本語系統論といえば、必ず出てくる服部四郎博士の名。その碩学ですら、日本語の系統は慎重にも未詳としている。日本語がどこから来たかは今もって不明。しかし朝鮮語・アイヌ語はもちろん、アルタイ語と総称される言葉が、印欧語と比べても日本語と近そうだとは誰しも思うだろう。ただ証明はできそうにない。そのもどかしさが伝わってくる論文集。2016/11/04

壱萬弐仟縁

8
課題は、日本語の近隣語の音韻や文法を比較、音韻対応の解明、文法要素の対応の解明(33頁)。安田徳太郎博士の『人間の歴史』(96頁~)。音韻体系が時代と共に変化(100頁)。同言語でも変容するので、他の影響を受ければ突然変異のような事態になっても合点がいく。基礎語彙を扱う言語年代学、語彙統計学という学問もあるようだ(120頁)。logr=logR/tという式では、例えば京都0.7471、t=1.2(上古→現代の間隔)とすると0.7843とR.リーズ氏の残存語彙基準は0.8048±0.176(120-1頁)。2013/05/03

susu

5
ロマンはあるけど、やはり日本語の祖語を探るどころか、同系統の言語を見つけることすら大変で、全く断定的なことは言えないのだなと思いました。朝鮮語は文法的にはあんなに似ているのに、音が違いすぎるから、難しいですね。2014/05/31

AICHAN

5
服部四郎さんは、アイヌ語と日本語は無関係と結論付けた金田一さんの弟子。が服部さんはアイヌの古老が消え去ろうとしていた時期に彼らと劇的な出逢いもしてアイヌ語研究と取り組み、勇気あることに師の考えに左右されることなく、「アイヌ語が日本語の祖語の1つだと証明することはできないがその蓋然性はある」と考えた。私などは「沖縄言葉とアイヌ語は似ているから祖語は同じだろう。古代朝鮮語もそうに違いない」なんて簡単に言うが、学者魂の権化のような服部さんは緻密な研究を厳格に重ねた末に「蓋然性がある」としか言わない。脱帽。2011/02/18

nata

4
かなり平易に書かれているとは思うが、音韻法則などの知識を前提としている箇所もある。断定的な結論はなく、あくまで蓋然性の大小が分かっているだけ、という態度はもどかしくもあるが正しいと思う。 なによりはしがきとあとがきから、筆者が本当にこの学問を楽しんでいる様子が伺えて感動した。2016/04/12

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