出版社内容情報
こよなく酒を愛し食いしんぼうを自認する中国文学者・青木正児(一八八七‐一九六四)が楽しみながら書いた酒や料理のはなしの数々.蟹や河豚といった酒の肴,はては酒の飲みくらべの話など何をとり上げても並のグルメ談義とは一味も二味もちがう.滋味あふれるこれらのエッセーは名物学という学問の実践なのである. (解説 小倉芳彦)
内容説明
こよなく酒を愛し食いしんぼを自認する著者が楽しみながら書いた酒や料理のはなしの数々。蟹や河豚といった酒の肴、はては酒の飲みくらべの話などをとりあげても並のグルメ談義とは一味も二味もちがう。滋味あふれるこれらのエッセーは名物学という学冶の実践なのである。
目次
酒の肴(肴核;酒盗;蟹;鵝掌・熊掌;橄欖の実 ほか)
抱樽酒話(酒茶論;瓶盞病;止酒の詩;中酒の奇習;琥珀の光;酒の飲み方 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
69
酒の口となり、唾を呑み込んだ「陶然亭」で知った酒好きで食いしん坊作家、青木正児氏。『米澤屋書店』にも紹介されていたので溜まらず、借りました。因みに「陶然亭」は『書物の王国 美食』収録されています。職場の休憩時間中に読むと酒の口になってしまう、酒好きには溜まらなく、危険な本です(笑)今回のおつまみ物は蟹や鮒寿司など、手に入りづらいものでピンと来ず。だが、「止酒の詩」の禁酒を宣言しつつも「止められるわけないじゃないか!」という開き直りには笑った。「アラブ飲酒詩選」での禁酒詩もそういう意味が含まれていたのかな?2022/02/13
六点
6
戦後直ぐに書かれた支那文学・戯曲研究の大家による「支那古典に表れた酒に関するよもやま話」+「食文化エッセイ」の合本である。大東亜戦後、占領下に書かれた本であるが、極めて高級な飯テロの本というしかなし。本朝、支那の酒文化の分厚さ、戦前の美食の凄さ、何れも危険なまでに魅力的である。鮒寿司の正しい食べ方は機会あれば必ず試そうと思った。鮒寿司、いいヤツは結構なお値段であるけれど。下戸のぬこ田が読み、そして実戦を行わねばと思ったのは確定的秘密であると言えよう。2018/07/07
にゃん吉
2
碩学である著者が、本邦と中国の古典に広く触れながら綴る食のエッセイ。どのテーマも、格調高い文でありながら、硬すぎず、取り上げられた食材が美味しそうで、読んでいて楽しいのですが、個人的には、河豚の話が興味深くありました。「鮭」は河豚の古名との指摘には驚き。抱樽酒話は、止酒の詩、中酒、大酒の会など、人を魅了して止まない酒の妖しげな魅力が伝わり、改めて、飲酒は文化だなと得心。
J_L_B_459
2
肴と酒とその周辺について主として中国の文献から考証するもの・博識な著者による飲酒賛歌で今夜の一杯が楽しくなる2009/07/21
でろり~ん
1
楽しめました。読むのにちょっと時間を要しましたが、それは呑みながら読んでいなかったから、かもです。2021/12/30
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