出版社内容情報
幕末から明治維新,その後の社会変動を身をもって体験した内藤鳴雪(1847-1926).伊予松山藩の藩士として,教育行政官として,子規派俳句の重鎮としての,彼ならではの貴重な見聞を詳らかに語る.(解説=宗像和重)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
33
木曾の山中の人は蛇を喰らう(225頁)。天竜川の伊那の人はざざむしを喰らうし。結構、栄養があるのだからだろうな。2022/02/05
かっこ
2
たしか俳句をやっていた祖父の遺品の中にあった俳画の名を検索して見つけた本だったと思う。非常に読みやすい文章で自分の祖父やその親の世代を身近に感じられるようになった。新撰組や西郷隆盛など幕末に活躍した人は下級武士だったことが多く、この人のような子供時代の多感な頃重臣の家族として江戸と藩地を往復、若殿様の小姓の経験などの詳しい手記は珍しく面白かった。2018/11/19
壱萬弐仟縁
1
「宮越駅辺には路傍に旭将軍義仲の碑が建っていて、その兵を挙ぐる時の様子が詳しく記してあった。これはその子孫が後年建てたものらしい。右手の川を隔てて林中に鳥居が見えたが、これは義仲の杜であるそうな。この川はいわゆる木曽川で、連日我ら一行と伴って右側を流れていて、折々は岩石に触れて白い泡を吐き、高い叫び声も聞かせていた。また珍らしく見たのは、既に三月の初旬(旧暦)であるに、梅が咲いている。そうしてまた桃も桜も咲いていて、百花ごっちゃまぜの景色である。そうかと思うと岩陰には残雪が白く残っていた」(226頁)。2012/08/04
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- 和書
- 岩波数学辞典 (第4版)