岩波文庫
橘曙覧全歌集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 450p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003027417
  • NDC分類 911.158
  • Cコード C0192

出版社内容情報

たのしみは空暖かにうち晴れし春秋の日に出でありく時-この「たのしみは…」ではじまる「独楽吟」の連作で知られる幕末の歌人・国学者,橘曙覧(1812-68)の遺稿集『志濃夫廼舎歌集』と拾遺すべてを収める.付・索引.

内容説明

「独楽吟」の連作で知られる幕末の歌人・国学者、橘曙覧(1812‐68)は、清貧の暮らしの中から、生活・社会・自然を自由奔放に詠み、近代短歌の先駆として高い評価をうけている。遺稿集『志濃夫廼舎歌集』と拾遺すべてを収める。付・索引。

目次

志濃夫廼舎歌集(松籟艸―第一集;襁褓艸―第二集;春明艸―第三集;君来艸―第四集;白蛇艸―第五集;福寿艸―志濃夫廼舎歌集補遺)
橘曙覧拾遺歌

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みつ

19
読み初めの一冊。実際に読んだのは「独楽吟」52首のみ( p178〜186)。いずれも「たのしみは」で始まり「時(とき)で結ばれる。人の訪問がないことを幸に本を読むとき、その一方で読み疲れて人の訪れを知るとき、さらには家族と団欒するときと様々。閑居も賑わいもともども、何気ない日々の生活に喜びを見出す歌の数々は、幕末の国学者とは異なる身近さを届けてくれる。1年間こうした日々を送りたいと思わせる歌多数の、これはハレの日にこそ読むべき普段着の連作。「たのしみは珍しき書(ふみ)人にかり始め一(ひと)ひら広げたる時」2022/01/01

双海(ふたみ)

15
「たのしみは・・・とき」という形の「独楽吟」で知られる橘曙覧。日々の暮らしのなかから生活、自然、社会などを自由奔放に詠む。国学者としての一面を窺わせるような歌、これもまた秀逸。2014/09/25

やいっち

14
「1994年、今上天皇、皇后がアメリカを訪問した折、ビル・クリントン大統領が歓迎の挨拶の中で、この中の歌の一首「たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時」を引用してスピーチをしたことで、その名と歌は再び脚光を浴びることになった」とか。私も、まさにこの際に、橘曙覧(の歌の世界)に目を見開かれたのである。正岡子規は、「源実朝以後、歌人の名に値するものは橘曙覧ただ一人と絶賛」している。幕末の歌人(であり、稀有な書家)だとは思えない清新さがある。2016/08/11

あきあかね

11
「たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」  橘曙覧と言えば、やはり「たのしみは」から始まる52首の連作、「独楽吟」だろう。清貧の生活を送った曙覧らしく、挙げられている「愉しみ」は、決して大仰なものではなく、家族、友人、自然、趣味、食事など、日々の生活の中で感じられるささやかな幸福。だからこそ、読み手は親しみと共感を覚える。 人の望み、欲望は留まる所を知らないものであり、それが向上心や生きる原動力につながる面は否定できないけれど、⇒2019/01/25

skr-shower

5
独楽吟しか知らなかったが、たくさんの歌を詠み日常の幸せをうたった。明治11年にご子息の言葉書きがあり、なぜか江戸中期の人との思い込みに気づく…”たのしみは珍しき書人にかり始め一ひらひろげたる時”が好き。2020/06/12

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