出版社内容情報
前回の岩波講座「世界歴史」の完結(1971年)以来,歴史学は長足の発展を遂げ,研究者の世代交代が進行しました.また一方で世界の先行きはますます不透明感を濃くし,それだけ新しい世界史像の形成が強く求められています.こうした学界の成果を吸収し,あわせて社会的要望に応えるべく,まったく新たな構成による講座をお届けします.
内容説明
シリーズ最終巻となる本巻では、東西冷戦の終結から始まった新しい世界史の現象と事件の性格を、21世紀への展望のなかに位置づけながら考えている。
目次
構造と展開(ポスト冷戦から21世紀へ―文明論的解釈の試み)
境域と局所(台湾海峡の変容―「アメリカの平和」のディレンマ;中東和平とアラブ・イスラエル関係の変容;アパルトヘイトの終焉)
論点と焦点(天安門事件とソ連解体;「アメリカの世紀」の終わり?;社会主義は20世紀に何を残したのか;民族問題の過去と現在―旧ソ連地域の経験から ほか)