出版社内容情報
古来日本人は「死」をどのように受け止めてきたか.死をめぐる儀礼,とくに大嘗祭の構造の歴史的分析を通して,日本人の「死の観念」の特色を浮彫りにし,天皇の死をめぐってオリジナルな比較宗教学的考察を試みる.
内容説明
本書は日本人における遺骨崇拝の源流をさぐり、その歴史的展開の相を追跡。さらに死と葬送の儀礼、とくに天皇の死をめぐる儀礼の構造を分析し、日本人のなかの、「死の観念」の特色を浮び上らせる。この作業を通して,著者は天皇の「生理的な死」と「社会的な死」の差に着目するとともに、「王権」と「王位継承」についての比較宗教学的考察を展開する。天皇論、大嘗祭論に新しい視点から一石を投じる注目作。
目次
1 死と民俗―遺骨崇拝の源流
2 神話に現われた世界像
3 大嘗祭と王位継承
4 浄穢の中の王権
5 二つの肉体―チベットにおける王位継承と転生思想