出版社内容情報
エネルギー・環境問題を解決するために，ますます注目が集まる人工光合成．その開発の基礎となる，光合成のエネルギー変換と物質変換について，最新の知見を交え，総合的に解説する．
Part?T 光合成とは
1章 光合成の全体像（園池公毅）
Part?U 光合成によるエネルギー変換の仕組み
2章 光合成の基本的な概念の確立（佐藤公行）
3章 光合成のエネルギー変換系を担う実体の探索（佐藤公行）
Part?V 光捕集系の構造と働き
4章 酸素発生型光合成の光捕集系（池内昌彦）
5章 光合成細菌の光捕集系（大友征宇）
Part?W 細菌の光合成，光反応に働く分子複合体，エネルギー変換にかかわる分子
6章 細菌型光合成の電子伝達系（永島賢治）
7章 光合成反応中心での電子移動を考える前に（石北 央）
8章 光化学系?Uの分子構造と電子移動（沈 建仁）
9章 光合成水分解反応：水の酸化による酸素発生のメカニズム（野口 巧）
10章 光化学系?Tの分子構造と機能（高橋裕一郎）
11章 光化学系I反応中心の分子機能と多様性（伊藤 繁）
12章 シトクロムb6f複合体の構造と電子移動（栗栖源嗣）
13章 クロロフィル色素と合成系（田中 歩）
14章 クロロフィルの機能と多様性（鞆 達也）
15章 カロテノイド色素とキノン（秋本誠志）
16章 Mn4CaO5クラスター（矢野淳子）
17章 ヘムと鉄硫黄クラスター（大岡宏造）
Part?X 化学エネルギーへの変換と調整
18章 サイクリック電子伝達系：遺伝学的手法による研究最前線（鹿内利治）
19章 ATP合成酵素の構造と機能（久堀 徹）
Part?Y 二酸化炭素と窒素の固定
20章 二酸化炭素の固定と濃縮（福澤秀哉）
21章 窒素の固定（藤田祐一・山本治樹）
Part?Z 人工光合成と光合成を利用した物質変換
22章 人工光合成への展開（南後 守）
23章 人工光合成アンテナと光電変換ナノデバイスへの展開（近藤政晴・出羽毅久・南後 守）
24章 人工光合成とエネルギー変換材料への転換（伊原正喜）
25章 人工光合成と物質変換への展開（天尾 豊）
26章 人工光合成による二酸化炭素還元と光資源化（由井樹人・石谷 治）
27章 光生物学的水素生産（大倉一郎・蒲池利章）
光合成研究を支える研究手法
1 部位特異的変異導入による光化学系IIの分子構造と機能の解析（杉浦美羽）
2 高速分光測定法による電子とエネルギー移動解析（柴田 穣）
3 電子伝達分子の酸化還元電位計測法（加藤祐樹）
4 X線結晶解析による光化学系の構造解析（神谷信夫）
5 広域X線微細構造(EXAFS)によるMn4CaO5クラスターの構造解析（矢野淳子）
6 電子スピン共鳴法：Mn4CaO5クラスターを例にして（三野広幸）
7 光合成関連タンパク質分子構造公開情報の利用ツール（神谷信夫）
8 光合成関連バイオインフォマティクスの公開情報の利用法（高林厚史・田中 歩）
9 極低温単分子分光が開く新世界（松下道雄）
目次
１ 光合成とは
２ 光合成によるエネルギー変換の仕組み
３ 光捕集系の構造と働き
４ 細菌の光合成、光反応に働く分子複合体、エネルギー変換にかかわる分子
５ 化学エネルギーへの変換と調整
６ 二酸化炭素と窒素の固定
７ 人工光合成と光合成を利用した物質変換
著者等紹介
杉浦美羽［スギウラミワ］
１９９７年神戸大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了。現在、愛媛大学プロテオサイエンスセンター准教授。博士（農学）。おもな研究テーマは光化学系２の構造と機能に関する研究、水の酸化機構の解明、改良型光化学系２を用いた太陽電池への応用研究
伊藤繁［イトウシゲル］
１９７４年東京大学大学院理学研究科博士課程修了。現在、名古屋大学名誉教授。理学博士。おもな研究テーマは光合成の電子移動、エネルギー移動、進化、地衣類の光合成、人工光合成
南後守［ナンゴマモル］
１９７４年大阪府立大学大学院工学研究科博士課程修了。現在、大阪市立大学複合先端研究機構特任教授、名古屋工業大学ものつくりセンタープロジェクト教授。工学博士。おもな研究テーマは生体機能関連高分子、人工光合成アンテナとナノデバイス開発（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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