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目次
第1部 学ぶことは喜び(憧れること、学ぶこと;私の研究と科学の楽しさ;ノーベル賞、嬉しくないと言った理由)
第2部 科学と教育のこれから(学問の府としての大学の役割;社会の発展に貢献する科学的精神とは何か)
著者等紹介
益川敏英[マスカワトシヒデ]
1940年愛知県生まれ。名古屋大学理学部卒業、同大学院理学研究科修了、理学博士。名古屋大学理学部助手、京都大学理学部助手、東京大学原子核研究所助教授などを経て、1980年京都大学に赴任。基礎物理学研究所教授、理学部教授、大学院理学研究科教授、基礎物理学研究所教授・所長などを歴任。2003年、京都大学を退官。現在、京都大学名誉教授、京都産業大学教授、同大研究機構長、名古屋大学特別招聘教授。1997年第17期日本学術会議会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あまりりす
12
益川先生、ユーモラスな、親しみやすい科学者と言った印象で、この本のタイトルと装画がまたとても素敵で、手にとってみました。理数系がまるで駄目な私には全く理解できない内容も多々ありましたが(!)概ね楽しんで読み進めることが出来ました。「studyとは知る喜び」という言葉と、戦争と平和への思いがとても心に響きました。2015/07/04
壱萬弐仟縁
9
しゃべり方が面白い人は、先生という存在を超えて、人間的魅力から入るために、印象的な人として人々の記憶に残りやすいと思う。特徴のある語り口。益川先生も個性的だからこそ、誰もやらない仕事を成し遂げた。その益川先生も魅力的な先生である中野先生に師事されていたという。魅力ある人間が継承されるゆえん。昔の試験は1、2行の問題文で解答を書き込む大学の試験だったが、今の生徒はマーク式で気の毒だとおっしゃる(84頁)。全く同感。センター試験、公務員試験も記述式にしてしまえばいいが、手間でやらない。ゼロ点にも意味がある。2013/04/19
厩火事
4
ノーベル賞の会見の時から面白い人だな〜っと思っていたんですが、本を読んでみると本当に変わった人なことが分かりました。物事の考え方も面白く著者の本をたまーによ見たくなります。本も結構な数出ているのでこれからも楽しみです。2016/11/23
はぎはぎ
2
ノーベル物理学賞受賞者の益川氏による講演や文章を収録した本。内容には重なりがあるので、最後まで読むうちに何度も同じような記述に出会う。だが、見方を変えれば、彼が本当に重視しているのが何なのかがよくわかるということでもある。科学における基礎研究の重要さを強調すると同時に、大学教育でも最新のことではなく、10年15年たった時に使えるような基礎的な内容を教えるべきだとする。とかく短期的に利用できるものが評価される時代に、長期的な視点の必要性を説く点は、傾聴に値する。2019/02/10
けんとまん1007
2
本当に、今の科学というか学問をおかれた立場や、持っている力について、いろいろ考えさせれたと同時に、益川先生の思い・主張にも大いに賛同できる。一つのことをやることの大切さ、特に、今メジャーではないことへ取組むことの意義を訴えていらっしゃる。だからこそ、それが学問の発展に繋がり、新しい分野を生む。そこが、今のこの国の学問と産業界とのおかしな関係から黒い陰が。学生時代のことも書かれているが、本当に、ロマンチストであり、エネルギーに溢れた方である根源みたいなこともわかる。2011/10/22