内容説明
老大国イギリスから日本を眺めてみれば、大人から子どもまで日本人はみんな子ども。成熟を忘れ、狂躁感を強める大衆社会を、しなやかな批評精神で解剖する。
目次
1 なぜこんなに変わってしまった日本
2 豊かさはどこにあるのか
3 イギリスも変わった
4 イギリスが教えてくれるもの
5 イギリス人はなぜ日本語を学ぶのか
6 日本人は閉じこもってしまうのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もくたつ(目標達成)
9
イギリスの貴族と結婚した著者が書くイギリスと日本の比較。日本は経済成長を遂げて裕福になった後、品位や気概というものを失い、幼稚な人が増えたとあった。否定できない上、それを改善するのも難しいと思う。そしてこういう、白人社会から日本を批判した本が重版を重ねているところも、日本人が素直なのかプライドがないのか不思議なところだと思う。2015/10/12
西澤 隆
1
この人は階級社会を好み低い身分のひとを軽蔑し、そして「平民」が作り出した文化である日本文化に強い劣等感を持っているのだろうなあ。バブルを見送った直後に書かれた本書は確かに狂乱価値観に蹂躙された日本を嘆く本なのかもしれない。でも一方でバブル期にもバブルとは関係なく日本らしさは維持されてきたし、踊った人たちが決してマジョリティだったわけでもないのにそれに目を向けないあたりにある種の階層のみしか注視しない研究者の匂いのしない見方を感じる。少なくともこれは提言でも研究発表でもない。個人的な好き嫌いの雑記だなと思う2013/08/10
廊下とんび
1
貰ったので読んだ本だった。文化比較をするには完全には無理だろうけど冷静かつ、公平な目線が必要になって来ると思う。そのためには比較する両方の国に対するあらゆる知識が必要である。いわゆる《○○かぶれ》の人がそれをやると感情的になり見るからに偏ってしまい痛い・・・。そこいくとルース・ベネディクト女史の古典的名著『菊と刀』には凄みさえ感じた。 血統的に《日本人》であることと日本を深く理解していることとはまったく違う。果たしてこの人はどれだけ日本を理解しているのだろうか?
もとせ
0
237頁引用【日本とイギリスの関係を考えてみると、どうやら片思いの恋の物語といってもいいかもしれない。はじめは日本人がイギリス人に憧れて、そして恋こがれていた。英国紳士を理想として、イギリスに留学したいと考えて、英国製の洋服を着ることを夢みていた。最近(※)では、逆に、イギリス人が日本に憧れている。イギリス人が、日本に留学したいと願い、日本に行きたいと考え、日本製のクルマやテレビをほしがっている。しかし、日本人のほうは、イギリス人にたいして冷淡になってきているようだ。】※1992年 第1刷発行2011/04/07