内容説明
レーヌ=マリー・パリスは、カミーユの弟であるポール・クローデルの孫娘であり、長年、カミーユ研究に情熱を傾けてきた。近親者としてクローデル家の記録保管庫にはいることを許された彼女は、そこで、謎に満ちたカミーユの運命をとく鍵を見つけたのだった。本書は、カミーユの彫刻作品を中心に写真110ページを配し、さらに伝記、書簡、病誌、ポール・クローデルの文章「カミーユ・クローデル―彫像家」などで構成されている。
目次
序文(ジャン・グロジャン)
カミーユ・クローデル 彫像家(ポール・クローデル)
まえがき ある運命と芸術の幸運と不運
伝記の断片
書簡
カミーユ・クローデルの病跡(フランソワ・レルミット;ジャン=フランソワ・アリレール)
作品
あとがき ペルセウスの楯に映ったもの(バーナード・ハウエルズ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koki Miyachi
9
筆者レーヌ=マリー・パリスは、カミーユの弟であるポール・クローデルの孫娘で、長年カミーユ研究に情熱を傾けてきた。序文とポールによるテキストは、カミーユの天才を語るプロローグにふさわしい。「伝記の断片」は、その人生を整然と客観的に述べた優れた評伝だ。彼女を廻る書簡、精神病院に幽閉された後の病跡を客観的に辿る数々の資料、そして天才カミーユがこの世に残した作品の丁寧な解説が続く。近親者しか近づけない数多くの客観的資料と、深い洞察によるカミーユ研究の決定版と言ってもいい。なだいなだによる翻訳も、もう一つの魅力だ。2013/09/10