内容説明
エックス線や赤外線などの目に見えない光が写し出す「鎌倉の大仏」や「千本閻魔堂の地獄絵」の実像、光ファイバーがとらえた「藤ノ木古墳」の内部の謎、コンピュータを駆使した画像解析によって解き明かされた阿武山古墳に眠る藤原鎌足?の実像や法隆寺の壁画、等々、歴史への深い洞察と現代の最先端技術が結びついて次々と明らかにされてゆく考古学上の謎の数々。まさに、ハイテクと考古学との出会いによって生まれた新しい世界を紹介する。
目次
第1章 鎌倉の大仏
第2章 千本閻魔堂の地獄絵
第3章 亀虎古墳
第4章 藤ノ木古墳
第5章 平安京の復元―東にずれた都
第6章 藤原鎌足の謎―阿武山古墳に眠るミイラ
第7章 法隆寺の壁画
第8章 宇宙考古学の夢
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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奥付を見ると1991年発行の本なので「ハイテク」とは言ってもピンと来ない。しかしファイバーカメラやⅩ線撮影技術を使って古墳内部を覗いたり太平洋戦争前に埋め戻されてしまったミイラの情報とか焼失した壁画の再現とか、色々楽しかった。今の技術で再挑戦したらどうなるのだろう。2013/12/05
Takashi
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再読。さすがに内容は古くなった。ただし、その後の画像を用いた文化財調査の目覚ましい研究成果をみれば、四半世紀以上も前に、その先駆的業績を一般向けに紹介した本書の価値が減じることはなかろう。鎌倉の大仏、キトラ古墳、鎌足墓など、読み物としても実に面白い。2017/12/30