内容説明
北極では遠征隊を率い、エチオピアでは国立公園の管理を任され、やがてカナダ環境庁の上級技官をつとめるなど、フィールドワーカーとして活躍してきたC・W・ニコルが、際限のない自然破壊に憤り、警鐘を鳴らす。自然を愛し、自然を考え、自然を生きるために、すべての日本人に読んでほしい辛口エッセイ。
目次
シカの話
クマのプーさんは気に入るまい
そのウナギを止めろ!
メンバー用ゴルフバッグ
ムクドリと煙突について
甘い歯
ノウサギか否かそれが問題だ
2メートルの鎖
タヌキの失踪
ヒョウの皮のコート〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
冬将軍
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30年以上も経った今、未だに林野庁が健全でないのはなぜだろう。当時に比べて動物愛護、環境保全の関心が高まってきたようではあるが、また一方でそれを利用するグリーンウォッシュの餌食にされる危険も生まれている。「高等教育の行き届いた文明国家で、このような森林破壊が現に行われているのを見るにつけ、私の気持ちはどうしようもなく沈み込み、かつてエチオピアで見たこと、闘ってきたことの数々が思い出されてくるのだ」というニコル氏の嘆きが胸にささる。国民の目を盗んで国の資源を売り物にする政府も悪質詐欺師集団としか思えない。2023/06/05