講談社現代新書<br> 「野蛮」の発見―西欧近代のみたアフリカ

講談社現代新書
「野蛮」の発見―西欧近代のみたアフリカ

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  • サイズ 新書判/ページ数 241p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784061490314
  • NDC分類 240
  • Cコード C0222

内容説明

リンネを嚆矢とする人類の階層化。逆ユートピアとしての「野蛮」への憧れ。西欧近代は、外部世界=「野蛮」の発見によって成立した。ルソー、サド、宣教師、探険家らの思想を追いながら、歪められたアフリカ像と黒人差別の根源を探る。

目次

プロローグ ガリヴァーとロビンソン・クルーソー
第1章 前近代の人々が抱いたアフリカ像(古代人のアフリカ「発見」;ルネサンス期のアフリカ観)
第2章 ヨーロッパ近代人の多様な野蛮観(ヨーロッパ近代人の野蛮観の変遷;黒い肌への嫌悪・蔑み;サブスタンスへの旅人;フランス啓蒙思想家の野蛮観;ユートピアとしての野蛮;ダンディズムとアフリカ;オリエンタリズムとアフリカ)
第3章 宣教師と探検家の役割(宣教師たちによる「野蛮」再発見;探検家たちの「野蛮」の発見)
第4章 社会進化論者のアフリカ観(社会進化論の発生;社会進化論と海外への膨張)
第5章 アフリカ社会への理解者
第6章 「野蛮」の創造と「文明」の発見(「野蛮」の創造;「文明」の導入とアフリカ人の抵抗)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

8
フランスでは「ダーウィンは、マルサスの人口論の延長線上で読まれ…進歩についての考え方は、社会進化論のそれに近い…社会進化論とひとくちにいっても、大きく二つの傾向に分けられる。一方は、野蛮で未開な、言い換えれば文明を持たない劣等民族を侵略・支配するイデオロギーであり、他方は、神の否定に共鳴し、人類史を原始社会から理想的な共産主義社会に至る諸段階に分けて考えるマルクス主義の発展段階論である。1850年代のエンゲルスの民族観にも見られるように、後者もまた、ヨーロッパ中心主義という点では…変わるところがなかった」2019/02/26

ピオリーヌ

1
印象的な個所を引用。「皮膚の色、髪の毛、鼻の形、宗教・言語・慣習などの相違によって自己と他者とを区別し、自分の優越性を主張し、弱い民族を支配してきたのが近代の歴史である」『「兜と槍と貪欲」で武装して非ヨーロッパ世界にやってきたコルテス、ピサロ、マルコ・ポーロたちは偽善者ではなかった。リヴィングストンやシュヴァイツァーらの宣教師こそ偽善者である』 自らの優越性に目覚めた西欧が非西欧をどう扱ったかがこの本には詳しく書かれている。お勧め。2019/01/01

0
うー、捨てました2017/05/10

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