出版社内容情報
高度成長以前、私たちの暮らしはどんなだったのだろうか。貴重な写真が語る5つの土地の昭和30年代。
内容説明
海底炭鉱の島「軍艦島」が閉山して21年。元島民が記録していた生活写真からは、驚くほどの活気と超高密度な空間が現れる。人も建物も、厳しい自然環境のなかで精一杯生きていた昭和30年代、大都市に先駆けて営まれていた高層住宅での暮らしから、人が集まって住むことの意味、そして暮らしやすさとは何かを考える。
目次
超高密度空間のコミュニティ
一九七四年春―閉山
捲き揚げ櫓と神社の下で
最古の鉄筋コンクリート集合住宅
緑なき島
オリエント、中国、そして軍艦島
海の上の近代建築〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瑪瑙(サードニックス)
40
廃墟になった軍艦島の写真はこれまで何度も見てきたけれども、人々が暮らしていた頃の写真がどうしても見たくて図書館で借りました。確かにかつてはこの島でたくさんの人々が暮らし、活気に満ちていたのですね。写真からは人々の逞しさと熱気を感じました。そして島だからこその厳しい自然の姿と、炭鉱ならではの厳しい現実も…。今は観光スポットになっていますが、当時住んでいらっしゃった方々はどんな思いでいらっしゃるのだろう?と思いました。2018/03/28
くろにゃんこ
34
テレビで目にする廃墟となった軍艦島、その歴史が気になって手にしました。緑のない島にもの凄く違和感を感じていましたが、そこには確かに人々の生活があり、子供たちの笑顔があり、一心に働く人々の姿があった。無機質な高層の建物とは正反対な活気あるたくさんの人々の様子にさらに戸惑いが大きくなってしまった(^^ゞ2016/02/12
ばんぶー
25
文中にも出て来ていましたが、かつて栄えていたころの軍艦島は、夜になると豪華客船のようなシルエットに。最盛期は、5000人以上の人が生活してたそうですから、当たり前の事ですが、活気あふれる様子でした。只今、都会におりますが、都会故、人は少なくならないでしょうけど、色々な理由で、どちらかというとアナログ的な産業が衰退し壊滅していくのを目の当たりにしております。同じような流れになっていくような気もします。2018/11/23
Romi@いつも心に太陽を!
14
密集し立ち並ぶコンクリート造の高層建築群。買い物をする主婦、走り回る子供たちの姿。そびえ建つ捲き上げ櫓に長大なベルトコンベアーからは轟音が響いてくるような凄味がある。ゆりかごから墓場まで。娯楽も酒も何もかもがこの小さな島にはあった。活気と力強さを感じる一冊です。これは必読。カオスな秩序にはどこか香港の街並みを彷彿とさせるところもあり。2011/06/08
速魚
9
昔の女の人は、みんなスカートはいていたんだなぁ。 買い物かごも前掛けもみ〜んな同じ、制服みたい。ずっと人の住んでいる軍艦島をみたかったので満足しました。2012/06/16