内容説明
かつて全海洋くまなく展開された商業捕鯨は、はたして日本文化の伝統か?詳細な歴史的分析に基づき、近現代日本人の経験と記憶に彩られた捕鯨観を相対化し、現在の国家間対立構造打破の突破口として、人間とクジラとの新たな関わりを示唆する、気鋭の労作。
目次
序章 本書の課題
第1章 近代日本捕鯨業における技術導入と労働者
第2章 経験の交錯としての暴動―「東洋捕鯨株式会社鮫事業場焼き打ち事件」の分析
第3章 クジラ類の天然記念物指定をめぐって―産業としての野生生物の利用を考える
第4章 近代日本における鯨肉食の普及過程
第5章 「乱獲の論理」を探る―捕鯨関係者の言説分析
終章 捕鯨問題における「文化」表象の政治性について
著者等紹介
渡邊洋之[ワタナベヒロユキ]
1968年生まれ。2002年、京都大学大学院農学研究科生物資源経済学専攻博士後期課程修了。京都大学博士(農学)。現在、京都大学研修員。専攻、環境史、環境社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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