内容説明
人と人とがたやすくつながってしまう時代、はたして友だちとは何だろうか?永遠のテーマを名コラムニストが徹底的に考え抜きました!
目次
友だちリクエストの不可思議
幼年期の王国とギャング・エイジ
夢の中の自分としての友だち
ヤンキーとの遭遇と別離
女の友情のうらやましさ
ヤクザという生き方
友情と愚行
グラスの底に友情はあるのか
コストとベネフィットとセックスレスと退廃
異邦人であることの有利さについて〔ほか〕
著者等紹介
小田嶋隆[オダジマタカシ]
1956年東京都北区赤羽生まれ。コラムニスト。早稲田大学教育学部卒業。88年、コラム集『我が心はICにあらず』で人気を博してから、大小の事象に対し独自の極辛批評を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
427
小説っぽいタイトルだが、「友人」をテーマにしたコラム本。全24章で構成されているが、各章の関連性は希薄で、どこかの雑誌に連載されていたものをまとめたような印象を受けた。メッセージを端的に述べるなら「友達はそんなに誇るものでもないよ」ということなのだが、序盤は特に昨今の人々の「友人が多い人のほうが勝ち組」という世間的な空気にかみついている感じが強い。ただ、あくまでコラムニストの文章なので特に発言内容に根拠があるわけでもなく、内容に浅薄さを感じるのが残念ではあった。2017/01/15
マエダ
78
奇しくも似た考えかただが、この本はどこに需要があるのだろうか。本を読む人に結構いそうな思想だがみな買うかのかな?かなりきになる。2017/09/04
kinkin
43
小田嶋隆の本を初読。はじめに書かれていた「友だちは、友だちだ。でも友だちの友だちは友だちではない」という言葉がしっくり。最近のSNS上のいいね!や友だちについても言及していた。友だちが必ずいないとそれはとても変なことなのか、自分だけで何かをするということの大事さを改めて考えることができた。ドヤドヤと押しかけてくる絆というものや、繋がりは昔はこちらから回避することもできた。それが現在のLINE外しのようないじめにまで発展するような友だちや繋がりというものはやはり不要。途切れ途切れの繋がりで十分だと思った。2015/06/23
marumo
32
「友だち100人できるかな」的メンタルを揶揄した内容なのかと思ったら、友情を真面目に考察した本でした。<恋愛が共に時間を過ごすことを前提としているのに対し、友情はその人が心にしっかり住んでいるのなら頻繁に会う必要はなく、世界のどこかに自分を理解してくれる人がいると思うだけで安心立命が得られる。友情とは相互関係というより自尊感情に近い>はものすごく納得! ミソジニーの章も面白い。確かに私も「え?どうしてオトコが来るんだよ」と思いますね。矯正不要でしょ、そんなの。ドライな感覚と文体が響きました。2016/12/21
tapioka
30
「友だち」についてコラムニストの筆者が述べた本。友達の数がその人を評価するようになった現在の日本、SNSにより遠く離れた友達も薄く常に繋がることが可能となり、常に人と繋がっていないと不安になる若者など、SNSを絡めて現在の若者の友だち感覚について、的確に述べている作品です。また、社会人になると友だちが出来ない理由や、結婚した男性はまともに話せる相手がヨメしかいなくなる等、身に覚えのある、読んで納得の話も多く、面白い内容でした。話の脱線がちと多いですが、友達疲れの人や友達で悩む人にぜひ読んで欲しい一冊です。2015/07/09