特務(スペシャル・デューティー)―日本のインテリジェンス・コミュニティの歴史

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特務(スペシャル・デューティー)―日本のインテリジェンス・コミュニティの歴史

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  • サイズ 46判/ページ数 499p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532176860
  • NDC分類 391.6
  • Cコード C0031

出版社内容情報

●日本は日米同盟を深化させ、「ファイブ・アイズ」加盟への道を進むのか。
●「自主防衛」を選び、インテリジェンス・コミュニティを完全に再構築するのか。
●あるいは中国との協調関係を選び、中国が反対するレーダーシステムや衛星の導入を抑制し、米国よりも中国と情報協力するのか。
* * *
冷戦終結後、日本の安全保障戦略家たちは日本のインテリジェンス改革に取りかかり、日本の安保組織を再構築しはじめた。
第二次世界大戦の完全な敗北、アメリカへの服従、国民の軍部不信といった戦後日本のインテリジェンス・コミュニティへの足枷が、どのようにして「新しい世界秩序」のなかで外され、2013年の特定秘密保護法と国家安全保障会議(NSC)創設に至ったのか。戦前から現在まで、日本の100年におよぶインテリジェンス・コミュニティの歴史を、インテリジェンスの6要素――収集、分析、伝達、保全、秘密工作、監視――に焦点を合わせて考察する。そして直近の改革が日本の安全保障にどのような結果をもたらし得るのか、過去の改革がどのような帰結だったのかを明らかにしていく。

内容説明

日米同盟を深化させ、「ファイブ・アイズ」加盟へ突き進むのか。「自主防衛」を選び、インテリジェンス・コミュニティを完全に再構築するのか。中国との協調関係を選び、中国が反対するレーダーシステムや衛星の導入を抑制し、米国よりも中国と情報協力するのか。明治から敗戦までの拡張期、冷戦時代のアメリカ従属期、冷戦後の再構築期という日本の100年におよぶインテリジェンス・コミュニティの歴史を、インテリジェンスの6要素(収集、分析、伝達、保全、秘密工作、監視)に焦点を合わせて考察。過去の改革の帰結を振り返り、直近の改革が日本の安全保障にどのような結果をもたらし得るのかを明らかにする。

目次

第1章 インテリジェンスの推進
第2章 特務の拡張―1895~1945年
第3章 敗北への適応―1945~1991年
第4章 失敗の手直し―1991~2001年
第5章 可能性の再考―2001~2013年
第6章 インテリジェンス・コミュニティの再構築―2013年以降
第7章 日本のインテリジェンスの過去と未来

著者等紹介

サミュエルズ,リチャード・J.[サミュエルズ,リチャードJ.] [Samuels,Richard J.]
マサチューセッツ工科大学(MIT)フォードインターナショナル教授、MIT国際研究センター所長、MIT‐日本プログラム所長。1980年MIT政治学部より博士号を取得。同学産業連携プログラム学部顧問、政治学部準教授などを経て、89年政治学部副部長、92年政治学部学部長。81年よりMIT‐日本プログラム創設所長、92年よりMIT政治学・フォードインターナショナル教授、2000年よりMIT国際研究センター所長、2001年~2008年、日米友好基金理事長。2011年、旭日重光章受章。1988年に第4回大平正芳記念賞を受賞したほか、著書に対してアメリカ政治学会、アジア研究協会、アメリカ大学出版協会などから図書賞を贈られている

小谷賢[コタニケン]
日本大学危機管理学部教授。1973年京都府生まれ。立命館大学国際関係学部卒業後、ロンドン大学キングス・カレッジ大学院戦争学研究科修士課程修了。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。2004年から防衛庁(現・防衛省)防衛研究所戦史部教官。英国王立統合軍防衛安保問題研究所(RUSI)客員研究員、防衛省防衛研究所戦史研究センター主任研究官、防衛大学校兼任講師などを経て2016年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さすらいの雑魚

17
日本の諜報防諜活動の通史。個人の視野ですが類書は未見。類書を日本人が書いてない所が謎と言うか戦後日本の精神の歪みだと軽く絶望。戦前の特務機関から戦後細分化され再出発した各情報組織の活動や繋がりを整然と著述。玄洋社東亜同文書明石小野寺土肥原中野小平青桐三島金大中別室ムサシ別班拉致米国支配等々ブツ切りで見聞きしたワードが繋がり納まり快感すら感じた。特に戦後編は米国の日本情報共同体への浸透支配や日本の対米情報依存に対する抵抗と自立の歴史と読め、なぜこれを米国人が書くと悔しくもあり、米国知識層の厚みに戦慄もあり。2021/04/20

たこ焼き

6
国民の監視に対してアレルギーがある政府で情報機関を運営することは難しく、問題が起きてからではないと対応できない(そして問題が起きてからではすでに時遅しとなる)スパイ天国である日本は日本政府の情報は簡単に手に入るだけでなく、その同盟国の情報も得られる。ソ連がアメリカの情報を得るために日本というスパイ天国フィールドを利用していた。秘密を守りかつスパイを取り締まる仕組みがなかったガバガバな日本政府に重要な情報をシェアすることは大きなリスクとして認識されていた。よく知らないことはありそうにないことと勘違いしやすい2024/01/16

クスモク

1
インテリジェンスは秘匿されるものと思っていましたが、その舞台裏が明かされていて、あれってそういうことだったのか、そんなニュースあったなと、答え合わせをした気分になりました。ごく最近のことまで記されているので、一読されると、今般の政治ニュースを一層深く解釈できると思います。本来、収集、共有、保全されるべき情報が、どういうわけか、収集、独占、漏洩してしまう(されてしまう)ことに触れらていて、これって公的機関だけではなく、民間でもあるある、そんなヤツいるいる、と誰かさんの顔を思い浮かべながら読みました。2024/01/04

ちいだ

1
著者はバランスの取れた日本評で、新著は楽しみにしてた。訳者の著作も拝読してる。戦中/前のインテリジェンスは詳細だが、目新しいところはない。本書の真価は戦後~現代の論にある。印象としては、ヒュミント除く単品の収集能力は人後に落ちないが、分析と政策形成の組織論が絶賛試行錯誤中か。与党が経済安全保障とかインテリジェンスとか言う程度には政治課題として脚光を浴び始めたとはいえ、アフガン脱出劇にしても改善点はまだまだ多い。結局「日本国民と政府が自分たちの国を守っていると感じることが大切なのだ」(p373)に尽きる。2022/01/30

rin5

0
翻訳のせいか、読みづらい。2024/04/29

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